ものすごい、いまさらながらの、英語ネタ。
英語では、袋っぽいものは「bag」である。
私のイメージだと、バッグと言えば、ショルダーバッグ、ショッピングバッグのように、しっかり容量があって、手や肩に提げて歩くイメージである。小さくても、ハンドバッグくらいのイメージにとどまる。
しかし、英語だとそうはいかない。それらももちろんbagだが、例えば、文房具店(←いまや絶滅危惧種)で、消しゴム1個買ったときに入れてくれる、5cm四方の小さな紙袋でも「bag」である。買い物に行ったとき、レジで「Do you need a bag?」と聞かれるが、紙の手提げ袋だけでなく、薄いレジ袋でも「bag」である。
私でも、その「bag」がそれ単体であれば、日本の「バッグ」のイメージを一瞬吹き飛ばし、「ああ、袋のことね」と切り替えられるが、これが重なったとき、混乱をきたした。
アメリカ人旦那が、小さな紙袋に何か物を入れ、それをリュック(backpack)にしまったのである。で、とある道中、
「Bagに入れた●●を取り出してくれ」
と言ってきて、私にbackpackを突き出してきた。私、混乱。ヤツは、このbackpackを「bag」と呼んでいるのだと思い、一体何を取り出せばいいのか、backpackのファスナーを開いて、
「何?何?何を出せばいいの?」
と聞いたら、
「さっきbagに入れただろ」
と言う。そこまで聞いてやっと、さきほど、封筒のように薄い紙袋に入れたものを指していることがわかった。
私は、
「私ら日本人は、bagというと、なんていうか、もっとstoutでbigなものをイメージするの。こんな薄い小さな紙袋をbagなんて言われたって、わからないよ」
と、英語が間違っているわけでもないのに、ヤツに抗議してしまった。
「英語ではこれもbagだ」
と怒られてしまったが、折衷案として、
「そういう薄い小さいbagは、日本ではfukuroと言ってほしい」
と頼んだ。
もう一つ。
「Do you have water?」
と聞かれて、「お湯」をイメージする日本人はいないんぢゃないか?
ヤツは、台所のお湯を入れるポットを目で指しながら言っていたので、それで十分「お湯」として伝わる、と思っている。
が、しかし、私はこれも、
「日本人は、waterって言われたら、冷たい水を連想するんだよ」
と言ってしまったが、これまた旦那の英語が間違っているわけではないので、
「英語では水でもお湯でもwaterだ」
と反論されてしまった。しかし私は、
「頼むから、hot waterと言いたいなら、oyuと言ってほしい」
と注文を付けてしまった。
英語ではなぜ、熱湯もぬるい湯も冷たい水も「water」で済むのだろう? いちいちboiling water、hot water、cold waterなんて2語も使わなくても、日本語の方が明確でいいと思うんだが。