イチロー君引退

私が初めてイチローを生で見たのは西武球場であった。それから、幕張のロッテ戦でも見た。言うまでもないが彼のオリックス時代で、私は会社の人たちと行った。

それから、シアトルのSafeco Field(今年からは球場の名前も変わってしまった)で何回も見た。
初めて野茂と対決した「メジャーリーグ初の日本人ピッチャー対日本人バッター」の際は、野茂がイチローにぶつけてしまい、そのあまりの痛さにイチローがもんどりうって苦しんでいたのも目撃した。2001年5月2日のことであった。
 
50歳まで現役、と公言していた彼も、寄る年波には勝てず、昨日、5年前倒しで引退を表明した。最後の最後まで、今シーズンはヒットを打てなかった。
そもそも、昨年「GM付き補佐」などという、良く言えば名誉職、悪く言えば閑職をオファーされた時点で、なぜ辞めないのかと思った。しかし昨日、彼が「この日本の2試合までが契約だったので」と言っていたことから、おそらく、その時点で既に昨日で引退する路線は決まっており、マリナーズは、その花道を、日本人である彼のために日本で開催する計画を決めていたのだろう。
 
私がアメリカ旅行中、
「Where are you from?」
と聞かれ、
「From Japan」
と答えると、
「あー、イチローの国から来たのね」
と言われ、自分の手柄でもないのにちょっと嬉しくなったことが何回かある。彼は、100人の大使、1000人の政治家にも勝る外交官だった。彼のおかげで、日本人のイメージがアメリカでどれほど向上した計り知れない。
 
ただ・・・・
私にネガティブなコメントを言う資格はないことは百も承知なのだけど・・・・
前人未到の1シーズン最多安打262本という記録を持っているが、彼の場合、コツンと当てて俊足で1塁に到達し、内野安打を稼ぐ、という手法が多い。カキーンという快音で1~2塁間、2~3塁間を抜いたり、外野まで長打で獲得した安打ではない。何もルール違反ではないのだけど、見ていて「せこい」というか面白くないというのが正直な感想だ。
それから、昨日「人望がないから監督は無理」と言っていたけど、わかっていたんだ、と思った。彼は自分のために、自己記録を目指してプレイしていたけど、決してチームプレイヤーには見えなかったのはなぜなんだろう。
それから記者団とのインタビューで、上から見下ろしたような答え方をするのも嫌いだ。あの傲岸不遜さは、いくらプレイヤーとして偉大でも、どうも鼻についてしまう。松井のような謙虚な人格が感じられないのだ。
そして最後の最後まで、MLBでの公式インタビューの場では、断じて英語を使わず必ず日本語から通訳させていたのも不思議だ。20年近く住んでいながら、アメリカ人にはあまりそういうところは好まれないだろう。
 
彼の奥さんは8歳も年上で、日本ではアナウンサーというキャリアを持っていたが、イチローと結婚と同時にシアトルに移り、それ以降はほとんど遠征でいない夫の留守宅を預かる主婦をしていたであろう。「夫の有り余る金を使って美容院を経営している実業家」という話も聞いたことがあるが、実態はわからない。しかし、イチローが、
「ホームゲームの前におにぎりを作ってくれた」
と言って感謝していたのには、少ししらけた。50歳過ぎた女がおにぎりを作るからって・・・ もちろん、妻で主婦だから、おにぎり作りは彼女がしていたことの氷山の一角でしかないけれど、今の時代でも野球選手と結婚する女性はキャリアを全犠牲にしてしまうのもどうかと思う。古田さんの奥さんの中井美穂さんくらいしか例外が見当たらない。
 
柴犬好きとして、18歳になろうとしている一弓くんがまだ生きていたのは、実にうれしい。