75歳まで働く?

以下は、サラリーマン労働者の話であって、年齢の問題がない自営業者には該当しない話です。
 

私が昔勤めていた米国系クレジットカード会社では、定年がなんと「75歳」になったと聞いて、ぶったまげた。

退職金制度があるかどうかわからないが、あったとしたら「払わないための手段」にするのだろうか。大体、1会社員が75歳まで継続して働き続けるとは考えにくい。よほど給料が高いなら別だけど、定年延長に伴い、年齢に応じて給与体系は別制度に移行することも多いから、40代50代の給与のまま移行しているわけではないだろう。認知症が入ってきてもまだ通勤を続けられたら、会社としてどう対応するのだろう?
 
現在の日本では、65歳以降を「高齢者」、75歳以降を「後期高齢者」としているが、最近の老年学会の研究では、
 
65歳から74歳を「准高齢者」
75歳から89歳を「高齢者」
そして90歳以上を「超高齢者」
 
と分類するのが相当、と結論付けたようだ。
 
となると、就労年齢も75歳までを相当とするのは、時代を先取りした判断だったらしい。ついでに、先に書いた「運転免許の上限を75歳までに」も間違っていないと思ったが、ともかく、国も、増大する社会保障費を抑えられる、税金も取れる。高齢者としても、仕事を続けている方が体に良い、と、三方よしなのは言うまでもないだろう。
 
しかし・・・
私の友人らの意見では(女性だからかもしれないが)、そんなにまで働きたくない、というのが圧倒多数だ。75歳まで働いて、辞めました、はい、病気になりました、とか、死にました、では、何が楽しみかい、ということだ。私の周囲には海外に行くのが好きな人間が多いから、年取ったら海外旅行に行く体力がなくなるという懸念も大きいのだ。
 
以前、総合商社を定年退職してからタクシーの運転手になった人に乗せてもらったことがある。この人がタクシーの運転手になったのは、「男が家にいると母ちゃんに邪魔にされるから」とのこと。これも極めて優れた動機である。二種免許はいつ取ったのか、と聞いたら、昔の運転免許制度では、国際免許からの切り替えだと、自動的に二種免許にしてくれた、とのこと。今はこの制度は廃止されているようだが、昔の免許って海外の免許になんと大甘だったのだろう。
 
ともあれ、健康寿命は、男性72.14歳、女性74.79歳。近所の老人ホームでは、定年退職後の男性が送迎運転手をしていたり、介護の資格を取得して働いている例もある。いいなあ、と思う。