「殿」は「しんがり」とも読む

夏井先生の毒舌が大好きで、毎週「プレバト」を録画している。あれのお陰で、俳句に少し興味が出てきた。なにせ、これほど金も体力も労力もかからぬ中高年向けの趣味もない。「プレバト」と並行して、NHK俳句も録画している。
俳句に限らないだろうが、「選者(先生)の好みの差」って、でかいなあ。A先生はこれが抜群と絶賛するものを、B先生は歯牙にもかけなかったりする。自分の好みに合い、自分の感覚を理解してくれる先生に巡り合えたらラッキーだが、その逆だったらちっとも芽が出るまい。会社の上司と馬が合うかどうか、に大変似ている。
 
さて、先日、NHK俳句の録画を見ていたとき、「殿」という字に「しんがり」という読みがあることを初めて知り、ぶったまげた。「殿」は、立派な建物である「御殿」とか、昔の「お殿さま」とか「殿上人」、王族や皇族で「陛下」でない人たちの呼称である「殿下」、今の時代でも手紙の宛名に「殿」を使うなど、尊い意味しか感じなかった。しかし、「しんがり」を漢和辞典で引くと、「おしまい、びり、最下等の成績」という悲しい意味もあるではないか。確かに、「〇〇のしんがり」と言えば、一番最後に登場する意味になる。
なんでじゃ~~。この「殿」1文字に、これほど両極端な意味がある理由は何なんだろう???
 
俳句は、たった17文字しかないので、数学的に計算すれば、31文字の短歌もそうだが、そのうち無くなってもおかしくなさそうだけど、新しい句(歌)の投稿は永久になくならないようだ。伊藤園の「お~~いお茶」のペットボトルには俳句が印刷されている。私も昨年、初めて、この俳句大賞に数句投稿した。そうしたら、一番気に入っていた句は没で、「駄作だけど」と思っていた句に「佳作」をもらった。へえ?その後、入選した作品を集めた小冊子と、見ているこちらが赤面するほどおおげさな賞状が伊藤園から送られてきた。ちなみに、佳作くらいではペットボトルに印刷されない。
 
上に「先生の好みによる」と書いたけど、伊藤園のも、やっぱり、審査員の好みはバッチリあるようだ。素人ながら、入選句を見ていると、すごく感じる。