共産党と社会(社民)党の偏頗

既に亡くなられたが、ノンフィクション作家の上坂冬子さんの著作を読んだ。

過去に週刊誌に連載したエッセイをまとめたものである。短いものの方が私にも読みやすい。

いくつも気になる点があったが、とりあえず共産党社会党(当時)の狂態について書かれていたので記憶代わりにメモすることにする。

 

上坂氏は、1992年、新潟市から、「憲法記念日」によせての講演を依頼されていた。しかし、これが、公園の日の一週間前に突如キャンセルされた。

理由は、地元の共産党市議、社会党市議団が、

「上坂氏は護憲派ではない」

という主張で、この講演会に横やりを入れてきたためであった。

 

新潟市も、なんという定見のなさだ、と私はあきれた。

しかし、それ以上にあきれたのが、市にこんな横やりを「正しい」と信じ込んで行ってくる共産、社会党市議団の方である。

護憲派、という名の付く人らは、日本国憲法はダイヤモンドのように、一字一句の誤りも傷もない、未来永劫完璧なものだと信じ込んでいるらしい。たかが、人間(外国人)が書いた文章をそこまであがめたいのなら、まあ、おめでたいが、それも勝手にして良い。

しかし、上坂氏の「思想、信条の自由」「表現の自由」はどうなっているんだ?それぞれ、彼らが大好きな日本国憲法の第19条、第21条に規定されているではないか。

 

両党が、上坂氏を「護憲ではない」と決めつけたのは、ある時、朝日新聞の取材に答えて、

憲法は、今のままでいいのだろうか」

と疑問を投げかけた言葉にすべての根拠を求めていたそうだが、共産党社会党とも、なんと自己矛盾した政党だろう。自分らの主義主張と相いれないのなら、事前に横やりを入れるのではなく、講演を聞いてから、きちんと納得のいく態度と文章で反論するのが大人のすることだ(=どうせ、これができないから、なのだろう)。

 

しかし、上坂氏が「強いなあ」と思ったのは、そのキャンセルについて新潟市に抗議をしたところ、市は全面的に非を認め、上坂氏にキャンセル料を払ってきたのだそうだ。上坂氏は、そのお金を、全額、韓国の老人ホームに寄付したという。

 

社会(民)党はその後、拉致被害者とその家族への対応のひどさから、国民の信用を喪失した。この7月の参議院選挙でいよいよお陀仏か、と期待していたけど、ぎりぎりで政党構成要件を維持してしまった。

共産党などもっとひどい。志位委員長など、党員からの互選もなく、2000年から今日まで20年近く委員長の座にいる。これをおかしい、そろそろ交代を、と言えないほどの思想・言論不自由な政党である。いや、政党とも呼べるような仕事は一切していないが、洗脳された無名の労働者らからぼり取ったカネで上層部らはたいそうな御殿にお住まいだそうだ。これで共産主義とは笑える。

ここまでいくと、護憲も共産主義も宗教の域なのだが、なぜ党員らは気が付かないのだろう?