百年遅かった「日本人の名前を姓+名の順に表記」

この前、アメリカに行っていたとき、旦那の知り合い夫婦の家に招かれた。そこで、話をしていた中、妻の方が私に突然、

「What's your last name?」

と尋ねてきた。しかし、どうしてこんなミスをしたのか私自身もわからない。私はこの問いに、自分のファーストネーム(日本でいう「下の名前」)を答えたのである。すかさず旦那が、「Last nameだよ」と訂正を入れてきたので、あ、そうかと思って姓を言った。

繰り返すが、本当に、なんでこんな基礎的なミスをしたのかわからないのだが、すぐ発想を切り替えた。好機だ。

「あのね、日本では、first nameがlast nameで、last nameがfirst nameなんですよ。だから、日本人は、Trump Donaldの順で名前を言うんです」

と、私は説明した。すると、妻の方はアジアに全く知識のない人みたいで、

「あら、そう?」

という反応だった。しかし、意外なことに、南部訛りの夫の方は、

「アジアでは大体そうなんだろ?」

と聞いてきた。へえ~。

 

以前は河野外務大臣のころから提唱していたが、最近、萩生田文部科学大臣が、2020年から、公文書で日本人の名前をローマ字表記するときは、「姓+名」の順に表記する、と発表した。

https://resemom.jp/article/2019/10/28/53079.html

 

良い決断だと思うし、「やっとか~」とも思うが、正直、100年遅かった。もっと言えば、初動がおバカだった。

日本人には、ガイジンに名前を名乗る時は「イチロウ・スズキ」のようにひっくり返すことが染みつきすぎてしまっている。

公文書など、書いたものなら目で見えるから、まだ姓と名の識別手段があっていい。政府で推奨する方法は、姓名のうち、姓を全部大文字で書く方法だ。

書き方その① SUZUKI Ichiro

 

①以外にも、

書き方その② 姓のあとにコンマを打つ Suzuki, Ichiro

あるいは、

書き方その③ 姓にアンダーバーを付ける Suzuki Ichiro

 

などがある。しかし、口で言うときは、いちいち、

「I am Suzuki Ichiro.  Suzuki is my family name」

と説明を加えないと、アジア以外の外国人にはわかってもらえないだろう。それは面倒だし、そこまで説明できる外国語能力のある人は多くない。

そもそも、日本で英語教育が始まった時点で、教科書を書くとき、

「英語を話す外国では、名+姓の順だから、日本人もそうしよう」

という発想で姓名をひっくりかえすように指導したらしい。しかし、韓国人や支那人の姓名表記は、アメリカの新聞を見たって、原語どおりの順なのに、なぜか日本人の名前だけ100%ひっくり返して書かれている。100年前の教科書の決定は屈辱的だ。実際、英語の新聞を見たって、支那人や韓国人の名前は、最初フルネームで登場したあと、すぐ「Mr. Kim」「Mr. Xi」のように姓にMr.を付けられており、下の名前にMr.がつくミスはない。そもそも、彼らには、姓と名をひっくり返すと言う発想はなかったようだ。

なぜなんだろう?

そして、ヨーロッパで、私が知る限り唯一、日本同様に姓+名で名乗るハンガリーはどうしているのか、すごく知りたい。