タワマンの終焉、デパートの終焉

武蔵小杉のような、もともとは多摩川沿いの低地で、おせじにもガラが良くなかった工業地帯が、不動産業者の必死の開発により、タワマンの林立するオシャレな街とみなされるようになった変化には、ただ唖然とするしかない。私はタワマン前の小杉を知っているだけに、住みたいとは思わない。昔の小杉を知らず、大金はたいて住む人たちの勇気にも、ただ恐れ入るばかりであった。

それが、この度の台風で、水が流れ込み、配電盤が壊れるなどの損害が生じ、その資産価値は下落してしまったといえる。転売しようにも買い手がつかなくなる可能性が生じたからだ。

そもそも、40階50階という、歩いて上がれない高層に「絶対停電もしないし、エレベーターも止まらない」と信じて住む人たちは、ちょっとどうかと思う。以前、「タワマン節税」という、上層階の部屋を購入することで相続税の負担を減らすという、蛇の道は蛇みたいなすごい手段もあったけれど、それも平成29年の税制改革で、なくなってしまった。

 

デパートの終焉、というネタは、10年近く前、Yahooブログで書いたことがある。

 

https://blogs.yahoo.co.jp/mymomomi/34851956.html

https://ameblo.jp/nihon-wanko/entry-12511704493.html

 

横浜駅前の三越が2005年に、横浜伊勢佐木町にあった松坂屋も2008年に閉店した。

前者は地下食料品売り場以外に興味はなかった。後者については、中高年女性が顧客の中心だったので、私も老婆になったらここに買いに来ると決めていたのに、閉店されて悲しかった。

バブル崩壊前は、駅前の土地があくと、そごうができるという説があったが、それらそごうの郊外店舗は、どんどん閉店していった。

伊勢丹も、吉祥寺、府中につづき、9月には相模原という、神奈川県のちょっと郊外にある店舗も閉店してしまった。

 

 

私の友人に、高島屋の「港南台」店にパート勤務をしている者がいる。港南台というと、横浜でも南方の立地で、デパートと呼ぶにはあまりに小ぢんまりした、イトーヨーカドーくらいのサイズの店舗だ。よくここに高島屋を造ったなあ、というのが正直な印象だったが、ここも来年8月で閉店が決まった。https://www.kanaloco.jp/article/entry-201377.html

 

 

「もう、潮時。仕事やめて引退する」

と彼女は言う。

デパートも、富裕層以外にはなじまれず、そのミッションを終えつつあるのだろうか。

 

余談になるが、実は私、ネットだけ見てものを買うことは、基本的にできない。昨今の若い人はスマホだけでなんでも売り買いしているらしいが、手に取った商品が予想と違ったり、サイズが合わなかったり、隠れた瑕疵があったり、前科があるようなものだったらど、と思うと不安だからである。

なので、本など、すでに内容が固まっているもの以外、ネットでは買えない。

やっぱ実物を見たいし、それにはデパートでチェックするのが一番確実である。

私って古いのかな。