ハンガリー首相の少子化対策「子供4人産んだら」

私が愛読している「ちきりん」さんのブログに、面白いニュースが取り上げられていた。

https://chikirin.hatenablog.com/entry/2019/11/14/%E7%B4%94%E5%8C%96%E6%94%BF%E7%AD%96%E3%81%8B%E3%80%81%E5%A4%A7%E8%83%86%E3%81%AA%E5%B0%91%E5%AD%90%E5%8C%96%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%8B%EF%BC%9F

 

ハンガリーのオルバン首相による、

「子供4人産んだ女性は、一生所得税を免除する」

という政策だ。同首相は、EUの移民政策にはくみせず、自国民による人口増加を狙っているようだ。

それも、正しい。

ちきりん氏も書いておられるが、所得税の免除が「女性」に限られている点がにくい。

これが「夫婦」だと、男性も女性も就労意欲をそがれるおそれがあるからである。

 

しかし、よく考えたら、子供を4人も産んで、なおフルタイムで働く女性と言うのは、きわめて限られるだろう。

普通は、専業主婦か、働いてもパートタイムがせいぜいで、だとしたら、その女性に所得税はさほど重く課されないはず。

だとしたら、この制度は、それほどインセンティブになるだろうか?

 

他には、3人産んだら、住宅補助と低利の融資という特権も付与されるそうだが、所得税の免除よりこちらのほうがずっと実効的だと思う。

しかし、それであっても、政府の方針は、時の政権やその時代背景、経済事情等によって変更される場合があるから、せっかく頑張って4人産んでも、数年後に、

「実はあの制度は廃止になります」

なんて言われてしまったら、怒りのやり場もないだろう。

政権の言うことをこの先20年30年も保証付きだと信じられる女性でないと、こういう策に乗って産む気にはならないのではないだろうか。

 

だからと言って、移民に頼るのも非常に危ない。

自国の伝統文化も何もかも、めちゃくちゃにされるからである。

何度も書いているが、移民というのは、貧しい国、民度の低い国、治安の悪い国、から、豊かな国、民度の高い国、治安の良い国へ、と流れるものである。また、そういった国々でないと、多産(=子供の死亡をカウントして)なんかしない。従って、それら移民や、彼らの子供たちが来ると、豊かさも、民度も、治安も、維持は望めない。

以前は、旦那と「パリに行こうか」と話していたのだが、もうパリはイスラム教移民に侵略されて、かつてのパリではなくなってしまったのを見ても分かる。

 

民度、教育、医学の発達や、衛生環境の向上と、女性の出産数は、完全に逆を行く。

これは、どこの国でも共通である。

女性が男性と同等の高学歴や職業を享受し、医学の発達で乳児死亡率が減れば、出産数は当然減る。

一方では男女雇用機会均等で女性も男性と同等に働かないとならないのに、また一方で「子供を産め産め」と言われたって、女性はどうしたらいいというのだ?

それこそ、共働きのまま子供3人産んだら3DKのマンションを、子供4人産んだら4DKのマンションを速攻かつ無償で与える、くらいの策を打ち出さないと、出産増なんて絶対期待できない。

 

戦後のベビーブームは、男たちが戦争から帰ってきたから生じた現象である。

男たちが長年引き裂かれていた妻のもとに帰ってきたら、することは誰でも同じなので、戦後は赤ん坊がぼこぼこ産まれた。

長い間引き裂かれていただけでなく、戦争という異常状態のため、自分の死の可能性もあった、というのは、男らにとってまた子作りの大変なインセンティブになるのだが、こちらのインセンティブは発生してほしくない。

ありがたい平和もまた、少子化の一因と言えよう。