私立学校の入試

私は、とにかく「入試」とか「偏差値」の話にうとい。

はや2月になったので、あちこちで私立の学校の入試が始まっているようで、受験する本人のみならず、親御さんがたも気が気でないであろう。

 

しかし、私は長い間、親の転勤にともない、地方の複数県で育ったため、東京に来てからも、ずーっと、ずーっと、「私立の受験」で騒ぐマスコミが、まるで理解できなかった。というのも、地方では「県立」が一番ハイレベルであって、私立は、県立に入れない、成績の悪い可哀想な子たちが行くところだったからである。なので、

「なんで頭の悪い子の入試がニュースになるんだろう」

と、長い間思っていた。大学に入って、ある人が、

「私、●●高校出身なの」

と教えてくれたことがあったけど、私はその私立●●高校が有名な名門高校だということなど知らなかったから、当人が期待していたリアクションなど、してあげられなかった。私立だと聞いただけで、「この人成績悪いんだ」と思ったからだ。

 

今でも北関東の埼玉、栃木、群馬は、レベルの高い県立であっても男女別学を貫いているのだろうか。

福島県なんかもそうだね。私は西日本のことは全く疎いのだが、西日本の県立高校はどうなっているんだろう。

 

地方だと、生徒のレベルによって、行くべき高校が自動的に「上位県立→中位県立→そうでもない県立や商業高校、工業高校→私立」に振り分けられるから、進路指導はある意味簡単である。しかし、東京の親御さんたちって、ほんと大変だなあ。なまじっか選択肢がいろいろあるから、進路の選定に、どれほど情報を集め、説明会に出席し、考えに考えるんだろう。頭が下がる。そして偏差値なるものにも精通しなければならない。私は偏差値がいくつ以上だとすごくて、いくつ以下だとダメなのかも、ちっともわからない。最初から「この子は●●に通わせたい」と、親が希望する私立がある場合は、もう、幼い頃からお受験まっしぐらである。大変。

 

しかし、選択肢が多数あるのも、うらやましい面がある。私など、父の転勤のせいでど田舎のつまらん女子校に転校させられてしまったのだが、これならいっそ東京の高校にでも行っていればよかった、などと、今この年になっても思うのである。