腰をやってもうた

おとといの朝、起きたら、腰が痛かった。

数年に1回くらい、腰をやってしまう。原因は全く思い当たらない。

以前、母が腰をいためたとき、医者から処方してもらった湿布を貼って様子を見ていたら、段々治ってきた。

長時間座っていると、立つのが苦痛である。へっぴり腰でも、よく立って歩く方がましだとわかった。

 

英語の話になるけど、「back」という語が、「背中」だけでなく「腰」も含むという大雑把さが、どうしても解せない。

腰痛は「backache」だが、backacheというと、「背中痛」ではなくて「腰痛」を指す、と旦那は言うけど、なんでだよ、背中だって痛くなるじゃん、と思う。「背中」と「腰」はクリアに分けてほしい。腰、と、しいて特定したければ「lower back」(背後の下部)となるが、長すぎる。

 

そういえば、旦那の父親とその後妻さん(旦那にとっては継母)が来日したとき、この継母が、体のふしぶしが痛い、というので、ほとんどホテルにこもりきりであった。私の母が、可愛そう、といって湿布を何枚もあげたのだが、彼女は、その物が何だかわからなかった。

アメリカでは、と、広範囲に言ってはいけないかもしれないが、日本人だったら誰でも知っている「湿布」というものを、知らない人がいるのだ、と驚いた。医療制度も治療法も日本とは大きく異なるであろうとはいえ、そして、継母はすっごく頭の悪い人で、物事に対する知識もきわめて限定的だったとはいえ、湿布って、アメリカでは誰でも普通に知っているものではないらしい。

 

旦那が腰痛になったとき、お医者さんから、大量の湿布と、痛み止めの薬をもらった。

薬、というのは「座薬」である。ロウみたいに、つるんとしていた。

私は、湿布に慣れていない旦那の腰に湿布を貼るだけでなく、旦那のでっかいケツの谷間に、えいやっと薬を挿入した。

本人は腰痛で困っているのに、私はおもしろがってしまった。

 

「座薬」は英語で、「suppository」という。私はこれまでの外資系勤務歴でも、同僚らからしばしば「英語じょうずだね」とホメられることがよくあったが、とりわけ、「なんでそんな単語知っているの?」と言われることが多かった。こんな「座薬」とか、いくら外資系企業でもまず口に出ないような単語を、私は人に比べて、生活上、在庫豊富に知っているのである。そのせいだ。