小池都知事は、外国語を乱発するのがお好きだ。
英語で給料もらってきた私でも、いい感じはしない。日本人でしょ?カタカナ語を乱発するのが知的だと思っているなら、それは違う。
外国語の苦手な人、知的な障害のある人もごまんといるのだから、そういう人らに伝わらなければ、メッセージの意味がない。日本語で言えよ。
ところで、「stay home」だが、「stay at home」と「at」は要らないのか?という非常に基本的な疑問が生じた。旦那に聞いたら、
「無くていいけど、有っても削除は求めない」
というレベルなんだそうだ。へえ。まあ短い方がいいか。Stay home。家にいましょう。
英語が世界中で通じて当然と思っているアメリカ人の、ごくごく一部である旦那の親戚や知人らに、私は、彼らに欠ける知識を吹き込んでいる。ヤードポンドや華氏はアメリカ以外では通じないこと、first nameやlast nameは多くのアジアの国々では逆なこと、brother, sisterは多くのアジアの言語に訳せないこと、等々。
旦那の親族に、日本で英語の映画を訳すとき、brother, sisterを訳すのに、どっちが年上なのか画面をじーっと見て、苦労して訳語を決める、と話したら、びっくりしていた。彼らは年の上下に関心がないからだ。
しかし、最近読んだ本で、逆に、英語nativeたちがこの訳に苦労している場合があることも知った。
「兄さん、姉さん」
である。
日本語の小説などで、「兄さん」「姉さん」とだけ呼ばれ、固有の名前がないものは英語に訳せないのだそう。だってあちらでは「Big brother (sister)」と呼びかけることは絶対にしないからだ。
それで、どうやって訳すのかと思ったら、わざわざ、「Robert」 「Nancy」とか固有名詞を作り上げ、それで弟妹から呼ばせるのだそうだ。へえ。
年齢の順を重んじる東アジア人の感覚からすると、兄姉を固有名詞で呼ぶのは非常に変だ。
そこで、ふっと余計なことを考えた。
「サザエさん」では、あんなに不自然に年の離れた姉、サザエに、まだ小学生の弟と妹がいるが、サザエさん英語版を作ると、姉さんに雷を落とされて泣きそうになっているカツオも、「姉さん~~」じゃなくて「Sazae~」、ワカメも「お姉ちゃん」ではなくて「Sazae」と呼び捨てにすることになる。
似合わない~~。全然似合わない。
サザエさんの中で、彼女を呼び捨てで呼ぶのは、父波平、母フネ、夫マスオの3人だけである。