体温計を壊してしまった

だ日本語は、自動詞(intransitive verb)と他動詞(transitive verb)がきちんと異なる。明確である。

日本に来ている留学生などが、バイト先で、皿を割ってしまったとき、店長に、

「皿が割れました」

と報告するので、店長を激怒させ、

「割れました、じゃない、割ってしまいました、だろう!!」

と、大目玉食らうことがある、と聞く。「割れる」(自)と「割る」(他)は、大違いだ。

 

いきなり話がそれたけど、先日、大切にしていた水銀体温計を壊してしまった。「壊れた」のではなくて、私が壊してしまった。

本来のきちんとして方法では、水銀を下げるとき、ケースに入れて、ヒモを左右に引っ張り、ぐるぐる回し、反対にほどくように回すのだけど、こんなこと長い間していなくて、ケースに入れたまま、手で上下にぶんぶん振っていた。そうしたら、テーブルの角にゴッチンコ。ありゃりゃ、ケース上から打ったから大丈夫か、と思って取り出したら、↓ の通り、先端部が取れていた。

 

 

水銀がテーブルの上に、ぱらぱらっとこぼれた。子供のころに壊してしまったときのように、直径0.1mmくらいの球体になってころがる水銀を指先で集めまくって遊んだら、1mmくらいの球になった。

 

この体温計、よ~く見ていただければわかるけど、婦人用なのである。

35.5度から38度までしかない。

はるか昔、若かった頃に買った。しかし、朝起きて口に入れて、というその目的で使用したことはあまりなかった。

生理がわりときちんと来たし、旦那がまだ頑張れていた頃は、ピルを飲んでいたので、避妊や排卵日をあまり気にしていなかったのである。

私これ、ただの体温計として使っていた。

世の中の普通の水銀計(=といっても、もう市販中止になったけど)は、35度から42度まで目盛りがあるけど、私、38度超えなんか、ひどい風邪かインフルエンザにかかったときくらいしか記憶がない。日常の体温を測るには、こっちの方が良いくらいだ。目盛りが細かいから、奥様や彼女が持っていたら、男性にだって、特に今の時期には、お勧めする。衛生上、わきの下で測ってね。

 

悲しかったので、ネットオークションで新しい婦人体温計を取り寄せた。私は、デジタルより正確な水銀計が好きなのだ。電池も不要だし。

 

 

35度から38度まで測れる。これが、35.5度を「0」として、38度まで50の目盛に分けられている。つまり、1目盛りは0.5分で、婦人体温の手帖につけるときは、「36.65度」等と細かく読み取らなくても、単純に「23」とか記録すれば良いようになっている。

 

しかし、アメリカ人の旦那は、婦人用体温計のことを知らなかった。この人は、一般的な日本人に比べて、恐ろしく医学に無知なのだが、男性だとこんなものだろうか。この点、私の亡父にそっくりである。国も人種も違う義父と義息なのに、なぜなんだ?

 

 

セ氏とメートル法に無知なアメリカ人を教育するため、私は旦那にはセ氏のデジタル体温計を使わせているが、上の婦人体温計を探すため、ネットで検索していた時、なんとなんと、セ氏と華氏が併記されている体温計を発見した!

https://www.amazon.co.jp/dp/B08725BKLZ/ref=pe_492632_159100282_TE_item

 

旦那もすぐ欲しがったので、浮足立って注文してしまったら、よくよく見ると、販売業者は支那の会社だ。そして、reviewも見ずに注文してしまったのだが、法人としてreviewはひどい。まがい物を、シールベタベタで売りつける会社らしいと分かった。

早速キャンセル依頼をかけたが、とんちんかんなauto replyが来るばかり。私は、彼らが日本語を読めないのだと思って英語でキャンセル依頼を入れたのに、何度もとんちんかんreplyが来る。しまいにゃ「カードにチャージされました」というメールまで来た。頭に来たので、かなりきつい日本語で再びキャンセルをかけたら、やっと処理してくれた。

しかし、カードに請求が来ないことを確認できるまで、数か月安心できない。

支那の会社なんてこんなもんだ。セ氏華氏表示に「うわっ」と思った私がうかつであった。

ちなみに、いつまでたっても世界で唯一華氏なんか使っているアメリカ人が根本的に悪い。