歯医者銀座 老人銀座

前にも書いたけど、我が家の近辺には、コンビニより歯医者が多い。駅前半径200m以内に、軽く10軒あるのに、2月に1軒、3月にまた1軒新規開業した。それから、以前、目医者さんだったところを、久しぶりに通りかかったら、そこも歯医者になっていた。半径200mに13軒くらいになった。

考えたら、神奈川県内には、総持寺近くに鶴見大学と、あと、神奈川歯科大という歯医者の大学があるし、東京の歯科大学に通う人も多いだろう。

ほんと、やっていかれるの?

そう思っていたら、これまで小さな戸建てでやっていたその13軒の中の1軒、隣が更地になったところへ、拡張工事をした。おまけに、これまで標榜していなかった「審美歯科」「インプラント」まで貼り出していた。へえ~。跡継ぎでもできたのかな。

そう思いながら、その改築中の歯医者さんを眺めていたら、自転車に乗った老婦人が通りかかり、私にむかって、

 

「この辺、歯医者さん多いわよね~。何かができる、と思うと、みんな歯医者か、整骨か、美容院よね~~」

 

と、私が思っていることと100%同じことを言いながら、チリンチリンと去って行った。

 

歯医者は、ワープア職になったと言われて久しい。私が長年通っている歯医者も、なんかこの頃、院長の指示なのか、もうけ主義に舵を切ってきた感じがしていやな気分だ。

私の小中学校の同級生にも、歯医者になった男がいる。家は農家であった。

成績なんて、全然ぱっとしない男であった。進学した高校だって、別にレベルの高いところではなかった。なので、彼が歯科医になったと風の噂で聞いたときは、たまげた。

その後、彼の家が持っていた田んぼや畑が、みんな住宅地に変わっていた。

 

歯医者も銀座だけど、老人施設も銀座である。閉店した店舗が改装されると、老人デイケア施設になっていることが多い。シャッター街になったままでいるよりもましであろうけど。

それらの前を通りかかると、介護士の指示で、高齢者たちが、ゆっくりした歌に合わせて、手を伸ばしたりなどの体操をしていることがよくある。ただ、どうも幼稚な「お遊戯」に見えてしまい、現役時代バリバリに働いていた人たちにしたら、

「バカにするな」

って憤慨してもおかしくないレベルではないだろうか。それから、よく音楽もかかっているが、大体、演歌とか民謡とか童謡である。私の世代で、それらが好きという人は聴いたことがない。

私らが老人施設のお世話になる時は、サザンオールスターズとか安室ちゃんとかを流すようになるのだろうか。

その方がずっと好きだけどね。