痛い出費と「Ganko!」

いや、参ったなあ。

まだ使って2年しか経っていない富士通製のノートPCがダウンしてしまったのだ。

初めてPCを買い始めてから、何故かずっと富士通を買っている。国内メーカーであるし、国内製造なのにも安心していた。これまでは、5~7年使って、いい加減よぼよぼになったり、OSが新しくなったりしたタイミングで買い替えていたのだが、こんな短期間で壊れるとは思ってもいなかった。

購入したヨドバシカメラに持ち込み、そこから外部ベンダーに回された。

今日、できあがったと連絡があったので取りに行ったが、予め聞いていたとはいえ、修理費10万円超えは、ちょっと心臓に悪い。

このPCを買ってから、Wi-Fiへのアクセスもぶちぶち頻繁に切れるし、富士通に愛想が尽きかけようとしている。次は東芝NECにしようかな。

しっかし、修理費ってこれほどかかるの?きっと、ベンダーも考えているんだろうな。新品を買うよりは少し低い金額を提示しよう、って。

 

うちのアメリカ人旦那は、昔からMac一筋、Mac愛、Mac以外PCじゃないというほど、Macと一心同体で生きている。Mac loversは、「MicrosoftやBill Gatesを嫌うこと」を、殆ど法律と言うか宗教にしている。

当然、今回のトラブルでも、「Buy a Mac」と強く言われたが、私の仕事場や周囲には、このヒト以外Mac userが皆無。時々旦那のPCも使わせてもらうことがあるけど、あいつが惚れこむほどの価値がわからない。価格も高いし、その価格に見合う利便性やサポートが得られる確信も無い。だから。いつもWindowsのPCを買ってきた。

そんな私に向かって、あいつは、

「GANKO!」

とののしる。もともと、私のために何か設定すると、

「Passwordは『GANKO』にしておいたからね」

と言うくらい、私の性格は「≒頑固」と決めてかかっている。

私の亡父は、「世界頑固選手権」でもあったらきっと優勝したであろうくらい頑固おやじであったから、その血を引いている私が頑固であっても仕方ない。

 

幼少時のことを思い出した。

私は、両親に、しばしば「強情っぱり!」と怒られた。その言葉の意味はわからなかったけど、親の口調からして、大変ネガティブなことであるのは読み取れた。私が何か親と違う意見を主張した時は、決まってそう言われた。

両親の言い方は、いつもそういう決めつけ口調だった。具体的にどうしたらいいのか、ということを、噛み砕いて教えてもらった記憶がほとんど無い。

例えば、夏になると、田舎に住む、よく知らない親戚筋に連れて行かれることがあったが、誰だかわからないので、誰だと聞くと、

「おばあちゃんでしょ!」

と言われるだけであった。おばあちゃん、って何だろう、と思った。干物のようにしわしわなこの人物のところに行く理由がわからなかった。たとえばだが、

「この人は、お父さんのお母さんのお母さんなの。お父さんは、小さいころ、このおばあちゃんに引き取ってもらって、よく育ててくれた人なの。だから、うちにとっては大事な人なの」

といった説明くらいしてくれても良かったではないか。後年、私が成人してから、何故、親戚付き合いの際、この人はどういう人なのか等をもっと子供にもわかる説明をしてくれなかったのかと詰ると、母は、

「言わなくてもわかると思っていた」

と返した。んなわけないだろうが!

 

旦那は日本語のボキャブラリーが限定的だから、母の例とは異なるけど、旦那が知っている日本語で私をののしるときは、日本人の妻なのに、自分の言うことにしおらしく従わないのが不満なのだ。

反論したって、もう、無駄だから何も言わないけどさ。

 

知っていることをありったけ言わないといけないと思っていたクセは、恥ずかしいことに、おそらく30代になるまで続いた。これは多分に、東大を出た頭のいい兄が、私に質問をふっかけ、私が少しでも知らないと、目一杯バカにしたから、その反動も大きかった。

少しくらい、知っていても知らない振りをしたり、「わからないので教えていただけますか」と周囲に頭を下げたりする方が、世間一般では、余程好感を持たれるのだと知ったのは、つまり、30過ぎてから。それまでの私はどんなにか嫌われていただろう。