日本の昔話のナゾ

NHKのラジオ英語番組を複数聴き続けているのだが、中で、タレント関根勤の娘がずーっと講師を務めている番組がある。ここで、週に1回ほど、日本の昔話を英訳して放送している。聴いていると、

「へえ、英語ではそう訳すの?」

と思うことがしばしばある。例えば、「こぶ取りじいさん」の「こぶ」。私は、皮膚が病的に腫れているから、「swelling」かな、と思っていたが、同番組では、「wen」と訳していた。これを、愛用しているALCオンライン辞書辞書では調べてみると、こんなシンプルな単語なのに、

「<<病理>>皮脂嚢腫」

と訳されていた。ひえ~~、難しい。この番組を聞かなかったら、wenなんて単語、一生知らずに過ごしたと思う。もちろん訳語は1つに限らないけど、「顔のこぶ」が「皮脂嚢腫」とは、たまげた。「皮脂嚢腫取り爺さん」。

 

日本の昔話では、いつも不思議なことがある。

子供のいない老夫婦が「子供が欲しい」と願いをたてて授かるとか、偶然子供を授かるケースが多い。一寸法師とか、桃太郎とか。絵を見る限り、夫婦とも完全に白髪の爺さん婆さんで、こんなトシになるまで子供を授からず、あるとき急に、ひ孫かやしゃごのような子を授かる設定が多いのはなぜなんだろう。

 

もう一つ、「決して●●してはいけません」の警告が多い。「してはいけない」と言われると、人間、あまのじゃくだから、つい、やってしまう。そうしたら、相手方が実は鳥とか動物だったりしたのを悟られてドロン、とか、開けてはいけない箱を開けて急にお爺さんになってしまったりするのが落ちだ。

 

王子様や、若いお侍に嫁いで幸せになりました、ってパターンは、西洋のおとぎ話にも非常によくあるパターンで、ほっとするのだがなあ。とにかく、年頃の夫婦でなく爺さん婆さんに子供、って設定は不思議。