グルメ 白楽「キッチン友」

いつか行って食べてみたい、と思っていたけど、なかなか機会が無かった洋食屋、「キッチン友」。

 

 

 

東横線白楽駅からほど近く、終戦後のまんまみたいな昭和のアーケードの、一番白楽駅寄りにある。

ここ、かなりの有名店で、TVや雑誌からの取材が多い。私でも、あの井の頭五郎さんが食べに来たことを知っている。

 

 

神奈川大学が近いので、盛りが良い、学生向けな印象の店。でもやっと思い切って行ってみた。

店は、高齢の夫婦が経営している。店の外の張り紙には、

「ジジ、ババがやっている店ですので、時間がかかります」

と書いてある。いいんですよ、いいの、いいの。

私はオムライスを、連れはポークカツを頼んだ。しばらくすると、学生とおぼしきウエイトレス嬢が、我々の前に、お箸と、ナイフ、フォークを置いた。へ?? 私のオーダーはオムライスだよ? この店はオムライスをナイフとフォークで食べるの? 目が点になってしまったが、ウエイトレスさんに、ナイフとフォークを返し、スプーンをもらった。彼女も怪訝な顔をしていた。が、あとで理由が判明。

 

まずは連れにポークカツ定食が出てきた。

 

 

もう典型的な日本の洋食屋さん、って感じ。

 

ついで、親父さん(マスター)が、私の前にハンバーグ定食を出そうとする。

要は、おかみさんが、私の注文を間違えていたことが判明。

連れに先に食べてもらって、私はオムライスを待った。

 

 

ケチャップ味はあまりしない。中はほんのりケチャップライスの味だが、表には薄い卵の上に、デミグラスソースがたっぷりかかり、福神漬けが添えられている。

これはこれで美味しかった。店のウインドーのロウで出来た見本とはずいぶん違うけど、ま、いいか。

 

我々が食べている間、揚げ物が山と盛られたお皿、そして、この店名物の、ポークソテーを炒めた玉ねぎで覆って山になった「スペシャル友風焼き」も2階に運ばれていた。あんなに食える時期が懐かしい、というか、うらやましいというか。

 

途中、おかみさんが水をついでくれたが、よく見たら表面に・・・・ ゴキの赤ちゃんの遺体が浮遊していた。

うわ、っと思ったが、私は女の割に虫に強いし、こんなところで騒ぐのは無粋の骨頂。なので、おかみさんに、そっと取り替えをお願いした。おかみさん、恐縮して何度も謝ってくれたが、私は、

「いえ、いえ、お母さんのせいじゃありませんから気にしないでください」

と言った。

 

ごちそうさまでした。

 

ご夫婦に聞いたら、1月の頭で、開店56年になるんだって!! すごいの一言、ご夫婦でずっと毎日一緒に56年働いてきたなんて、表彰状ものだ。神奈川大学時代、ここで食べていた学生が、孫と一緒に食べにくる時間が経過している。

私は、

「60年になるまで続けてくださいね」

と言って、店を出た。

 

ちなみに、今年も取材が何件も来たが、コロナのせいで、放送はボツになってしまったのだという。

何で? 「この映像は○月●日に撮影しました」ってテロップを入れればいいのに。

 

 

追記:

ご高齢なのに、ご夫婦、とりわけ親父さんの仕事量の膨大さに驚く記事 ↓。