本末転倒

私は若いとき太っていた。30過ぎてからは細くなった。普通逆なんだろうけど、中年太りというものを経験したことがない。

まあ、ストレスがすごく多いし、それに、気をつけているからね。

家には極力お菓子は置かない。あると食べてしまうから。何か食べたくなったら歯を磨く。

身長は加齢によって縮んで161cmちょっとなので、理想を言うと体重は40kg台なら重さを感じなくて良い。しかし、最近はどうしても50の大台が割れず、時たま52kgに達したりするので「ぎゃ~~っ」と叫ぶ。

そういうときは、「バナナダイエット」の出番だ。

なんてことはない、お昼をバナナ2本にするだけ。

バナナは、スーパーで黒くなりかけているのを安く売っているので、ありがたや。これで食費も節約できるし、お昼をバナナにした次の日は、1kgくらい落ちている。

 

さてと、これは私の男友達の話。彼のもう離婚した奥さんなのだが、はるか昔、新婚旅行時の写真を見せてもらったことがあるけど、今で言うとまるで女優の菜々緒さんのようだった。

それが、1女を出産したら、あっという間に相撲取りになってしまった。

彼が「もっと痩せろ」とか「働きに行け」と言っても、ことごとく「いや!」で、ひたすら家にいてお菓子を食べていたという。

娘を私立の小学校に入れるため、夫婦そろって面接に行ったのだが、その時は、奥さんに合うスーツがなくて、まるで風呂敷をかぶったような服を着て行ったという。

なぜか面接にはパスし、それをもってこの二人は離婚した。

 

でね、この奥さん、何が好きかといって、「病院に行くこと」が大好きだったのだという、

あの、病院独特の臭いがたまらなく好きだったそうだ。

体をさがせば悪いとこだらけだから、とにかく何かにつけ病院通いをしていた。

最も行ったのは、整形外科だそう。「膝が痛い」「腰が痛い」って。

そんなの、医者に行く以前に、痩せろって話なんだけど、ご本人は絶対人の言うことを聞かないから、ひたすら膝や腰の治療に通っていたという。

ここまで来ると、この奥さんバカなの?と思う。

 

この例だと極端だけど、日本の医療費の安さの陰に、もうちょっと改善すべき点は多々あるんじゃないかって思う。

この奥さんだと、膝や腰の治療以前に、体重。

大酒飲みの酒とか、愛煙家の喫煙。

そういうネガティブな原因をちっとも解決しないで、健康に気をつけるほかの人々と同じ保険料しかとらないって、考えてみたら不公平だ。

アメリカの医療費制度まで行くとcrazyだとしか思えないけど、あの国で国民皆保険をあれほど嫌うのは、そういう、病気の原因を自分で作っている人たちの医療費まで、みんなで負担し合うのは共産主義的で許しがたいからだそうだ(by 旦那)。

それも一理あるなあ。病気にはどうしても防げないものもあるけれど、医療を受ける原因を作ったのなら、当人はその負担をしなければならない、という考えだ。

 

しかし、酒とかたばことか体重は自己申告制によるだろうから、そういうネガティブ情報を正確に申告する人は少ないだろうなあ。

私は死ぬときに、「もっと太ってもいいから、あれこれ好きなだけ食べたかった!」と後悔するのだろうか?