ネット難民とコロナワクチン

東京では、八王子市と世田谷区の高齢者からコロナワクチン接種が始まった。しかし、接種には予約が必須だけど、

「いくら電話してもつながらない」

と言って、当日、予約もないのに接種会場に来てしまった高齢者がいたそうだ。

来ればなんとかなる、と思ってのことだろうけど、その人は、インターネットにアクセスする手段がなかったそうだ。

我々からしたら、ネットのない生活をしている人がいる、ってことが驚愕だけど、そういう人も世の中にはいるんだ、と改めて驚いた。

スマホガラケーも何にも持っていなくて、ひょっとしたら家の電話、「黒電話」かい?

 

時々、日本は支那韓国よりすっごく遅れている、と思うことがあるのが悔しい。

例えば、韓国では、国民の医療情報がすべてコンピューターで一元的に管理されており、どの病院、医院にかかっても、過去の病歴が一発でわかるようになっているという。台湾でもこれは同じで、国民健康保険証が台湾人の間で100%普及しており、医療情報がどこでも一発でわかるのは韓国と同様である。

それに比べ、日本ではやっと、マイナンバーカード(注:このクソ和製英語、だいっきらい)の普及率はまだ3割に満たない。持っていなくても困らないからだ。

最近やっと、マイナンバーカードを国民健康保険証として使えるようになる、という話を聞いたが、これも、

「その医院、病院に、マイナンバーカードを読み取って利用できる端末が導入されていなければ」、

患者が「よし、使おう」と思っても、「うちでは使えません」になる、と知った。

大きい病院なら一斉導入するだろうけど、個人病院、とりわけ医師が一人だけで年寄りだったりすると、

「わしゃ(わたしゃ)、今からそんな面倒くさいもの、入れたくないよ」

と、抵抗する様子があざやかに浮かぶ。

韓国や台湾は、政府が、

「これを導入しないと、健康保険制度を使わせない」

とか、

「医療行為を許可しない」

とかいう強制力で進めたのではないだろうか。それなら抵抗できず、システムを導入せざるを得ない。

日本には、この「拒否できない」制度に対するアレルギーというか抵抗が、富士山より高いのだ。

患者の中にも、

「個人の医療情報が洩れる」

と抵抗する人がいる。マスゴミも、野党も、そういうネガティブ面ばかり主張し、反対する。

それなら韓国や台湾でできている理由は、と彼らに聞いても、きっと黙ってしまうだろう。出かけた先で急に病気になった、事故にあった、といった時に過去の病歴を知ってもらえるだけでも、救命につながるのに。

 

イギリスって国は、案外ざっくばらんで、今回、このコロナワクチンの接種では、精密さよりスピードを最優先している、と知った。

なんとなんと、ろくすっぽ英語も話せないような移民らにも、「注射の訓練」をほどこして、それでもう、接種をやらせている、というのだ。

ひえ~~っ。

日本だと、生きた人に薬液を注入するのは、医師、それから、医師から指示を受けている看護師、准看護師に限られる、と思う。もし日本でイギリスみたいなことやらせたら、

「接種に来た人間を殺す気か」

みたいな猛抗議が起こるのも目に見えている。

やっとこさっとこ、コロナワクチンに限り、歯科医師にも特別に接種させる案が出てきているそうだが、大賛成である。歯科医師は人数が多いし、繊細な歯茎に注射をし慣れているのだから。

 

日本って国は、よくよく完璧主義で、接種でただの1度たりとも失敗がなく、誰一人副反応を起こさないという保証がない限り、ワクチンの接種は許されないと思っている人が多そうだ。たとえ1万回接種し、副反応が出た人が1人だけだったとしても、「危険だから中止しろ」と、ネガティブ面ばかり報道する。他の9999人が救われていることは絶対報道しない。

 

そしてそして、おどろいたことに、コロナワクチンに接種予約をしていながら、ドタキャンで会場に現れなかった人が4~5人いたせいで、その貴重なワクチンを「廃棄」してしまった、というのだ!

 

日本人、って、なんとクソ真面目で律儀なんだろう。

 

捨てるくらいなら、それこそ、当日予約しないで来てしまった高齢者に打ってしまえばいいのに。

 

ほんと、日本人のクソ真面目と融通の利かなさって、どんだけブレーキになっていることか。

少数派である反対意見に、耳を傾けすぎなんだよ!