私は、一生英語と格闘し続け、一生「nativeばりに話せるわ~」と思うことなく終わるのだろうなあ。
先日、あまり好きではないけど、TVで相撲を付けたら、先頃引退した鶴竜親方がゲスト解説者として出演していた。
この人、往生際が悪かった。横綱たるもの、少しでも弱くなったと思ったら、すっぱり引退せねばならないのに、休んで休んで、たまに出てきて、また休んでいた。多分、日本国籍を取れるまでひっぱっていたのだろうけど、いざ帰化しても、日本人的な名前、あるいはしこ名を本名としたのではなく、モンゴル名のまんま帰化したので、ますますしらけた。
・・・・ と思って、聞くとはなしに聞いていたら、このヒト、日本語が超うまいではないか。元外国人とは思えないほどのうまさだった。
大体、お相撲さんはみな、10代のころから部屋に入り、朝から晩まで日本人と日本語にもまれて生活するので、いやでも上達する。やっぱ、語学習得は環境だよなあ。タコ部屋並みの環境に入らないと、あそこまで上達しないのだ。
先日、アメリカ人旦那がこんな話をした。
アメリカで、犬のブリーダーをやっている女性の話だ。彼女が、指定された先に、譲渡する犬、オスとメス各一匹ずつを車に乗せて、ときどき休憩ないし宿泊しながら走っていた。
「Unfortunately, unbeknownst to her, she was in heat」
と言う。「In heat」って、「熱が出た」ってこと?このコロナの時期だから感染したの???と、私は目が点になった。
そうしたら、話の続きが、
「Then the dogs copulated in one night」
という。私はますます訳が分からず、辞書を引いたら、「in heat」というのは「発情期で」という意味だと知った。
まず、混乱の原因となったのは、英語では、犬でも人間でもメスなら「she」で済ませてしまうこと。日本語だったら、「彼女」と言えば絶対に「人間」で、犬を指すことはしない。とりわけ動物にはhe sheのような代名詞を使うことは日本語としてはまずない、
それから、一見単純そうな「in heat」というidiomが、「熱を持っている」ではなく「発情している」という特別な意味合いを持っているのを知らなかったこと。
つまり、全部訳すなら、
「ブリーダーの女性が知らなかったことだけど、あいにくそのメス犬は発情していて、ある夜、2匹は交尾してしまった」
という話であった。
まあ、飼い主の彼女がコロナで発熱しているのでなくてよかったけど、「in heat」はこんな時期に紛らわしいぜ、と思った。
誰か、打つだけで英語がペラペラになる、とかいうワクチンを開発してくれないかしら。