進歩のない医院

若かりし頃に少しかよっていた皮膚科があった。

最近またちょっと皮膚科にかかりたい症状があるので、ネットでいろいろ皮膚科を調べてみたけど、何軒もあって絞れない。それなら、と、ウン十年ぶりにそこへ行ってみることにした。

場所も変わっていない。古いビルの2階。しかし、私がかかっていたころの女医の名前の上に、もう一人別の女医の名前が足されている。

まあ、私がかかっていた当時の女医さんの年齢を考えたら、いま80歳前後になっていてもおかしくないので、ほぼ引退して別人にやらせているのかな、と思った。

私を診察した女医さんに、「ここにはウン十年ぶりに来ました」と話すと、この女医さんは、当時の女医さんの娘さんだという。

姓が違うから、家族かどうか確信がなかった。驚いたことに、お母様はまだ午後数時間診察に出ている、と話していた(大丈夫かい?)。

しっかし、ほんと、ウン十年前とちっとも変わっていない。

おまけに、院内処方ばかりらしく、私のように、薬局を統一したいから処方箋を出して欲しい、というリクエストはまれのようだ。

なので、処方箋は、いまどき「手書き」。ひえ~。おまけに領収書も、スーパーのレジみたいなのにハンコを押したヤツ。ひえ~~。

こういうのって、どこでもコンピューター化されて、印刷して出すものだと思っていたけど、こんなふうに、ウン十年の時が止まったまま経営している小規模医院もあるんだなあ。

それで、処方箋を薬局に持っていったら、調剤事務の人から呼び出され、「この処方箋、いつもらったんですか?」と聞かれた。見ると、発行日は「4月●日」。きっと、その日に書きかけたけど発行しなかった処方箋を捨てないでおいたものだ。おまけに、必須事項である私の生年月日もブランクになっていた。

しかも、そこの処方箋に押されているスタンプがつぶれていて読みにくく、何度電話しても違う番号にかかってしまい、皮膚科医と話せない、と薬局の人が言う。そんなわけで、私はその処方箋を持って再び皮膚科へ行き、書き直してもらった。女医さん、平身低頭していた。

 

人間だれでもミスはあるけどね~~、でもね。

 

もうここへ行くのはやめよう。私のように処方箋を求める患者向きじゃない、ってことだ。

 

マイナンバーカードが、健康保険証として使えるようになったそうだけど、この皮膚科は絶対そんなもの導入しないに違いない。こんなふうに、医療機関側に導入を拒否する自由を与えてしまうと、日本のマイナンバーカードの役割はますます中途半端なものに終わりそうだ。お隣の韓国ですら、一人の健康保険証で、過去の病歴、薬の処方歴がすべてわかるようにコンピューター化がなされているというのに(あの国に負けて悲しい)。

 

マイナンバーといえば、こんな裁判があった。

 

 

憲法第13条のどこを読めばプライバシー権が保証されているのかわからない。

マイナンバーを訴えるなら、それ以前に、戸籍謄本とか住民票制度を訴えないのか不思議。