五輪を見ていて

五輪は、もともと、

「ヨーロッパの白人男性が主催する大会」

であり、白くない民族はいまだ「参加させてもらっている」という扱いなのかな。

計測用の時計を見ると、いつも思う。日本で開かれている大会であるにもかかわらず、時計はみな

「OMEGA」

だ。日本には、世界に誇る「セイコー」「シチズン」という両巨頭があるのに、五輪の時計は絶対ヨーロッパの時計なのである。

オメガが五輪のオフィシャルスポンサーなのかもしれないけど、時々、他社に交替してもよさそうだが。

 

柔道の「落ちる」という意味と、実際の現象を、初めて見た。

兄が、小林まことの「1,2の三四郎」の単行本を持っており、その中に度々出てきた言葉でもある。たぶん「気を失う」とか、「窒息寸前まで追い詰められてグタっとなる」ことだろう、と思っていた。

昨日の柔道女子70kg級では、準決勝で壮絶な延長戦が行われた。決勝戦で金メダルを取った新井選手とロシア人選手が、16分あまりの死力を尽くし、勝負が決まったあと、ロシア選手があおむけに伸びていた。アナウンサーが、

「あ、落ちました」

と、さらっと言う。アナウンサーも、実況する以上は、相当柔道のことを勉強しているわけだが、「絞め技で失神する」ことを、あんなふうにさらっと言ってしまって良いものなのかな。もちろん全く反則ではないけど、落ちる、って、なんか。下手したら死なないのか。

蛇足だが、「絞め技」は私、あまり好きではない。できる限り、それ以外で勝って欲しい。以前、谷本歩実という女子選手が、北京五輪の決勝戦で、相手のフランス人、デコス選手を、スパーッと投げ飛ばして一本勝ちしていた美しさが忘れられない。相手の選手は、自分に何が起こったのか信じられないふうで、審判から立つように促されても、呆然として座り込んでいた。

 

体操の話だが、競技数を数えると、男子は「ゆか、平行棒、あん馬跳馬吊り輪、鉄棒」と6種もあるのに、女子は筋肉より優美さを見るので、「ゆか、跳馬段違い平行棒平均台」の4種のみだ。つまり、男子は「平均台」をやらない。女子は「吊り輪」「鉄棒」「あん馬」なんてやら(れ)ない。

こういうのは差別でも何でも無くて「区別」だ。でも、男子は練習量が多そうで大変。

男シンクロや男新体操は、まだ五輪競技にはならないのかな。