先日、検査のため朝食抜きで病院に行った。
さて、終わってお昼がっつり食うぞ、と思い、中華やさんへ、
しかし、若くなくなったので、朝食抜きであっても、普通の外食の1人前がすっかりヘビーになってしまっている。悲しい。
注文したのは「麻婆茄子定食」だったのだが、この茄子の量が、私に必要な量の4倍くらい出された。
いくら食べても食べても茄子が減らない。
それで、お店の人に「持って帰りたいんですが、できますか」と尋ねたら、それは断じてNGで、「どうぞ残してください」という。
この「フードロス」への感心が高まっている時代に、勿体ないことである。私は貧しい家に育ったので、なおさらいやだ。
考えてみたら、あの、何でも気軽に裁判を起こすアメリカでは、ごく当たり前に持ち帰らせてくれる。
お店の方ではいつも持ち帰り容器を用意してある。店側だって、捨ててしまうより持って還った方が数段嬉しいだろう。
それが、訴訟大国でない日本では、頑としてお断りなのだ。どうしてだろう。
まあ誰でも思いつく理由が、「持ち帰った食べ物が傷んでいたので食中毒になった。どうしてくれる」という悪質なクレームである。
それに対処する労力を考えたら、残してもらった方が店として楽なのも理解できる。だけどね。
アメリカ人旦那に聞いて見たら、
「そりゃ、店から出た先は、何があろうと、全部、持ち帰った人間の責任に決まっているじゃないか」
と、あっさり。
それがなぜ日本では定着しないのだろう。
やはり、過剰な「お客様第一主義」があり、なんでもかんでも店が悪いとして、ぺこぺこ謝罪してしまう文化があるからだろう。
客だからって、どこがそんなに偉い?
我が国では、客として、店に嫌われない、良いマナーを示すという教育が全くなされておらず、客は威張りたいだけ威張れると勘違いしているバカが多い。
三波春夫側は「そんなつもりで言った言葉ではない」と否定しているようだが、「お客様は神様です」というフレーズは罪深い。
「絶対に私が全責任を負いますから」と主張しても、やはり、食べ残しを持ち帰らせてはくれないんだろうな。