病院には行かない、という選択

先般、朝食を抜いて、腹部の、主には膵臓のエコー検査をしてもらったのだが、結局、内臓に多少の嚢胞(あなぼこ)があるにしても、悪いという結果はなかった。

「桃実さん、痩せていますから、」

と医師が話し始めて、ぎょっ。私は15歳から25歳くらいまで、非常に太っていたので、いまだ肥満恐怖に満ちているし、人から「細いですね」「痩せているね」と言われても、「ウソだろ?誰のこと?」と、絶対に信じられない。

ともあれ、医師によると、

「太っている人より、痩せている人のほうがエコー検査の結果が正確に出るので、桃実さんの場合は気になるところは写っていなかったのですから、大丈夫でしょう」

と言われ、はあ、そうでしょうね、と思って辞去してきた。

 

これまで、考えてみたら、いろいろ検査しても「悪いです」と言われたのは、右の卵巣のチョコレート嚢腫だけで、これは手術して取ってしまった。

その他は、大腸癌検査なども「異常なし」。これだけ苦労して下剤飲んでいるんだから、逆に一個くらいポリープでも見つかってくれよ、と思ったことすらある。

 

この頃、何人かの女性作家のエッセイを読んで、

「年が行ったら、もう病院には行かない、という選択もアリ」

という記述を目にし、そうかもしれないなあ、と思い始めた。

昔は、人間50年だった。それが、いろんな要因で伸びに伸びているわけだけど、それって果たして自然なことか尋ねられたら、野生動物に比べるというのは極論過ぎるけど、自然だ、とは言えない気もする。

 

なまじ、医者にかかってあれこれ調べてもらったら、

「あ、○○値が高くなってきていますね」

なんて、薬をいろいろ出されてしまうかも知れない。しかし、ある程度の年齢以降の身体の異常は、老化によるものだと思っている。老化は治せない。

通院するのは、歯医者とコンタクト眼科の定期検診、それから、産婦人科のホルモンパッチをもらうのだけにして、あと、検査だとかは今後やめようと思った。

もし癌とか重病になったら、そのまま死のう。

ただ、旦那が「僕が死んだら骨はXX湾に撒いて」とか言っているので、それを果たせるくらいは生きないといけないけど。