色々学ぶ 「ハンカチ王子」「ゴルゴ13」

ハンカチ王子」の愛称で高校3年生の時話題をさらった甲子園のスター、斎藤佑樹が、ついに(というか「やっと」)引退するという。

 

ネット上の書き込みは、

「高卒でプロ入りしていたら」

ばかりだ。比べたら切りが無いのだけど、同期で、高卒プロ入りした田中投手と、あれほど差がついてしまったからなあ。王子のピークは高校3年生だったってことかな。

これから「指導者の道へ」とも書かれていた。名選手必ずしも名監督ならず、と言う。しかし、現役の実績がまるでない元選手が指導者になっても、説得力に乏しいのではないかな。本人は、肘がもう駄目になったことを理由にしたようだが、もう球団としても、彼のグッズの売上げに比べ、若手や、自由契約になる選手たちへの説得材料がなくなったということなんだろう。

私の「たられば」。彼がもし、マウンド上で、汗を、青いハンカチではなく普通に腕でグイ、と拭いていたら、どうなっただろう。

 

漫画家のさいとう・たかを氏が死去したそうだ。「ゴルゴ13」は連載中止になるのかと思っていたが、これまでずっと、各作家に「分業」の形を取って作画していたため、さいとう氏がいなくなっても、連載は継続するという。へえ。

電車の中の電子掲示板にも、死去のニュースが出ていた。日・英・中・台・韓で表記されるのだけど、中と台では、

「日的漫画家斎藤隆夫病逝」

とあった。「死去」だけでなく、きちんと「病逝」と書かないと中台では気が済まないのかな。

それから、本名が漢字でよかったね。「りえ」とか「アトム」というかなの名が本名の場合、中台語ではどう訳すのだろう。「宮沢理恵」とか、むりやりそれっぽい訳をつけるのかな。

 

ゴルゴ13は、兄が単行本をかなり持っていたので、高校の時に読んだのが最初。

正直、死ぬほどショックを受けた。

男って、女の体を、こんなにおもちゃのように粗末に、手荒に扱うものなんだ、そういう漫画を、男たちは「男の理想」「ロマン」「ヒーロー」だと思って読んでいるのだ、と知ったからだ。

再々書いてきたけど、私の母は、その年齢を考えたら仕方ないのだけど、ひどい男尊女卑論者で、

「男はみんな女より上」「女はみんな男より劣っている」「女の利口は男の馬鹿と同じくらい」「世の中なんでも男」

と言って私を育てた。これがどれだけ私の人生に悪影響を与えてきたか、筆舌に尽くしがたい。私はクラスの男の子たちより成績は良かったのに、それでも、女だから男より劣っていると信じ、歩くときは男子の3歩あとを歩くとか、いま思い出すと笑っちゃうことを真剣にやっていた。

 

今はそうでもなくなってきたのかも知れないが、私が読んだゴルゴの中には、目を背けたくなるような描写が多数あった。

女は、すぐ裸にした。女の側から、クールなゴルゴに抱いてほしくて進んで素っ裸になることも多々あったが、女の私からしたら、「そんなことあるかっ!」である。

膣の中に銃口を差し込んでそのまま発射し女性を殺してしまうとか、同じくその中に筆で蜂蜜をたっぷり入れて、無数の蟻に噛ませて自白をさせたあと射殺する、とか、拷問で爪を剥がすとか、首を絞めるとか、むごいシーンは数え切れなかった。作画当時は、女性に対する感覚はそんなもので、女性差別だという感覚は皆無だったのだろう。

私は、それでも、母の教えで、

「男はみんな女より偉いんだから、こういうストーリーにも慣れないといけない」

と思い込み、真剣に読んで、反感を抱かない努力をしていた。

マジで、バカだった。ほんとバカだった。その後、不快なものに不快だと言えるようになるまで、何年要したか。

母は「毒母」だったわけではないけど。

今の単行本からは、そういった描写は削除されているのだろうか。