私が「理科系苦手だ~」と思い始めたのは、たぶん、小学校6年生のときだった。
今でも覚えている。「電磁石」の実験だった。電池の+と-を電気の通る線(正確には何という名称?)でつなぎ、砂鉄の上に置くと、砂鉄が線にくっつく、という実験。これを「電磁石」というらしかったのだが、なぜ、線に電気を通すとくっつくのか、わからんことだらけだった。だけど、男の子たちは割と喜んで実験に取り組んでいるっぽかった。男の子は、このころから、どこかで調達した機材で簡単なラジオや飛行機など、あれこれ、鳴る物、動く物、をつくったりしていたが、女子でそんな工作をする子は皆無だった。
OECDの調査によると、理工系に進学する女子学生の割合は、悲しいことに、日本が最下位だったという、
私も理工系が苦手だったから、偉そうなことは言えない。しかし、これは悲しい事実である。
K国もOECD加盟国。ということは、K国にも負けているのだ。
いまでも、親や祖父母の世代が、
「女の子なんだから理工系なんてダメよ」「文学部とか調理学校はどう」
なんて、昔ながらの意識を持っていないか。あいにく、というか、おまけに、我が日本では、1000年以上前に残された「源氏物語」など、学問の対象となっている古典文学には事欠かない。だから「文学部国文学科」に行ったり、あるいは英語が好きだからと「英文科」に行く女子は多い。それが真に本人の希望だったなら問題は無いのだけど、最初から「女の子だから、こう」という決めつけが働いているとしたら、改めるべき事態であろう。
医学部に進学する学生においては、男女比はいまや6:4にまで接近したようだ。良いことだけど、おそらく、これは、単に勉強ができるからではなく、親が医者だから、という家庭環境が一番大きいのではないだろうか。薬学部は圧倒的に女子が多いけれど、これは手先の器用さや細やかさもあり、昔から女性の天下のような職域である。
しかし、リケ女の話に戻るが、こんなにリケ女が少ないって、やっぱり、問題なような気がする。
私のように子供のころに理科系が苦手と認識した人間ならともかく、本人が理科系が好きと思っても、親などが、
「女の子なんだから」
と、進路に同意しなかったりして。しかも、ひとたび理科系を卒業しても、実験を続けるために、出産育児が障害になるのは、他の職業とは変わらないけど。
私は、8割以上男子ばっかりだった高校を、父の転勤のせいで1学期で転校し、クソみたいな田舎の女子校に入らされた。このクソ女子校に入ってつくづく思ったのは、摩擦や刺激がない、ということ。理系の得意な(主に)男子を見て、良い影響を受ける、というチャンスが、女子校には欠けている。
話は変わるけど、最近、NHKで「テレビ体操」を見たら、演じる一人が、男子になっていた。
これまでは、おそらく体育大学の女子学生3人くらいが、健康そうな体を弾ませて体操のモデルをしていたのだが、「男女平等」のブームはここにも及んできたわけだ。男性アナウンサーも料理番組の司会者を勤めるようになって久しいけれど、テレビ体操のモデルがこれまでずっと女子ばっかりだったのは、任命する番組ディレクターが男性ばかりだったせいなのだろうか?