「小臼歯」と英語と日本語

記憶にないくらい前に治療した歯の根っこがマズイことになり、また歯医者に通い始めた。

ったく、歯は一生治し治して使い続けないとならない。

 

歯医者の治療だって、かつては、ギュイーンギュイーンと削った穴に、銀色の金属を詰めるのが普通の治療だった。今はそんなことしていないだろう。昔の治療は、今となっては時代遅れになっているものが数多いに違いない。だから、昔の治療痕が暴れ出したら、最新のものに取り替えなければね。

 

ところで・・・・

治療を開始したのが「小臼歯」なので、英語では何と言うのか調べてみた。愛用しているALCの辞書を引いたら、

とある。「False molar」なら「ニセの奥歯」で、「premolar」なら文字通り「奥歯の前」だ。ともかく、アメリカ人旦那に、「普段アメリカ人はこの中で何と呼ぶの?」と聞いたら、
「I don't know」
と来た。ひえ~~! 
アメリカ人である旦那と私の亡父とは、人種も全然違うのに、妙に共通点が多い。「縁だねえ」なんて言われることがあるけど、私は父を嫌っていたので、こういう縁は全然歓迎できない。その共通点の一つが、「医学的知識が希薄」ということ。亡父の場合、病気とはすべて「熱が出ること」であって、我慢をするか、風邪薬を飲んで、熱が引いたら「治った」という意味であった。
旦那の場合、ここまでバカじゃないけど、日本人なら小学生でも知っていそうな単語を知らないことがしばしばあってギョッとするのだ。かつては「血糖値」という言葉すら知らなかった。
「ぼくは病気をしないから」
というのがヤツの言い分だが、それも亡父にそっくりだ。
「I know the incisors are on the front and the molars are in the back, but I'm not sure what's in between」
(糸切り歯が前にあって、奥歯が後ろにあるのは分かるけど、その中間にある歯は何というのかわからない)
だって。たまげるなあ。
日本語で「奥歯」と言うと、大臼歯だけだろうか?小臼歯も含むだろうか?私のイメージだと、奥歯は大臼歯(親知らずがあれば片側一方3本ずつ)だけで、小臼歯は含まない。ともかく、「大臼歯」と「小臼歯」という名称ではっきり分類できる。
 
さてと、歯の名称についてもうすこし調べてみた。俗にいう「糸切り歯」は「犬歯」で、これは普通に知られているだろう。
しかし、前歯の一番正面にあるのは「中切歯」といい、犬歯側にあるのは「側切歯」という特別な名称があることを知った。ひえ~~っ。そもそも、なんて読むの?
 
日本人がアメリカ人に比べ、医学用語をよく知っているのは、日本語だと「漢字」という超便利なものがあり、見ただけで、ぱっと意味が取れるおかげだと思っている。「小臼歯」なら「小さい、臼みたい(にすりつぶすため)な歯」で、「大臼歯」の対比としてもすぐ理解できる。しかし、26文字しか持たない英語の場合、医学用語となると、ほとんどラテン語を覚えないといけないのだ。ああ日本語ばんざい。