外国語は、いくら勉強してもnativeのようにはならない。なので、それだけに、いつも勉強したり調べたり聞いたりしている。
ところで、先日、ジェノサイド五輪のスノボ競技で金メダルを獲得して帰国した平野選手に、日本人のメディア関係者か誰かが、空港で、
「Congratulation!」
と声を掛けたので、おいおい、またかよ~~、とむかついた。
これはちゃんと複数形で言ってよ! CongratulationSだよ!! 間違っている認識なしに言っている日本人は恥ずかしいなあ。
ちょっと思い出した。以前勤めていた会社に新しく入った、某部の部長のこと。
この方は、とてもセンスはよかった。就任してすぐ会社に対する知識も得てきたし、いい人が来てくれたものだと思っていた。
しかし、長年ヨーロッパ系の外資系数社にお勤めだったのに、英語がメチャクチャだったのである。
どこからこんな支離滅裂な英語を仕入れてきたの?という書きぶり、話しぶりだったのだが、ご当人は、自分の英語は上手だと思い込んでいたらしいので、失礼ながら私が訂正を何度も入れさせていただいても、それのどこが間違っているのは、なかなか理解しようとしなかった。
私だってnativeじゃないのに、口を挟むのは失敬だけれど、それほど目に余ったのだ。
そうしたら、周囲に指摘され始めたのか、徐々に、メールを出す前、私にチェックを依頼するようになってきた。
私は、目一杯修正を入れて返信した。
そのうち、そこそこまともに書けるようになってきた。
困ったのは、修正が聞かない口頭での発言だった。
この人のことを思い出したのは、上の「congratulations」も、一度注意したくらいでは足りず、何度も単数形の「congratulation」でメールを出しまくっていたからだ。
私が4~5回注意して、やっとこ、「congratulations」と書くようになってきたが、一度「オレは英語うまい」と思い込んだら、なかなか直らない性格だったのだろう。
しかし、それ以外にも頑として直さない表現があった。ここで具体的にその表現を指摘したらその人だとわかってしまうので、書かない。けれど、メールだけでなく、上層部とのミーティングに出席し、私もお相伴させていただいたときに、その表現をバンバン使うので、面食らってしまった。私は、何度か「それは違う」と正しい表現を教えたのに、次の日にはすぐ忘れてしまうらしく、どんなガイジンの前でも平気で間違った言い方を続けた。
不思議なことに、ガイジンらが変な顔をしていても、その上司はちっともその表情が読めないらしかったた。
しまいには、いちばんゴマをすっていたVice Presidentの前でその言い回しをしたので、私はたまりかねて、バシっと、いつも教えている正しい表現を言ったら、上司はあわてて言い直しをした。
どうして、こんなに、何遍教えても、教えても、直さないんだろうなあ、と思っていたら、その人はほどなく会社を辞めてしまった。