やはり漢字は優秀、表音文字しかない言語はキライ

アメリカの医療でも、簡単には死なせてもらえないようで、意識もなく横たわっている旦那のクズ兄の人工呼吸器を今週とりはずす手はずになるそうなので、

「はずしたら、死んじゃうでしょ」

と聞いたら、

Leaving it indefinitely might cause infection.  So, they are going to have to decide whether to proceed with a tracheotomy (呼吸器を差しっぱなしにしていると感染症になる可能性があるので、tracheotomyするかどうか決断しないといけなくなる)」という。

また出た、訳の分からんラテン語っぽい用語。末尾の「tomy」というのはなんとなく「~術」っぽいが、その前は全然想像もつかず、調べてみたら、「気管切開(術)」という意味だった。

私は例によって、

「日本語では、気管切開だよ。漢字は『絵』だからすぐ意味が分かるよ。『気管』はWindpipeで、切開は『incision』だよ。読んで字のごとく、でしょ」

と自慢。いつもいつも思うのだけど、こういうラテン語由来の医学用語を、一般の教養しか受けていないアメリカ人たちは、ぱっと見で分かるのだろうか。100年くらい昔は、ラテン語は学生たちの必須教科だったけど、今ではそうでなくなったそうだし。私が続けて、

「簡単に、Windpipe incisionって言えばいいじゃん」

と尋ねると、

「それじゃ、殺人行為だ」

と。ふむ、なるほどね。わざとらっぽいほど難しいラテン語を使えば、いかにも医学だけど、単純に単語を続けただけでは、犯罪行為と解釈されかねないらしいのだ。へえ、そうかい。そこでランク分けしているわけね。でも、漢字はいいなあ。ぱっと見て意味がわかる。

 

ともあれ、気管切開をしてまで呼吸をさせても、回復の見込みはゼロのクズ兄。Ritaは、どうするんだろう。

 

 

ツバメがさかんに巣を作って、子を育てている。道の上がフンだらけになるが、しばらく我慢してやろう。

しかし、旦那は鳥類にも疎い。アメリカの鳥と日本のソレが違うことをさておいても。

「ツバメくらい、アメリカにもいるでしょ」

と聞くと、

I am not an ornithologist

と言う。また出た、ラテンっぽい言葉! 

最後の「logist」は「者」みたいだとすぐわかるけど、前半がわからない。調べたら、これで「鳥類」という接頭語であった。鳥類学者、ね。

「それならavianじゃないの?」

とくってかかる私。だいぶ前、ニワトリなどに流行した「鳥インフルエンザ」は「avian flu」ないし、簡単には「bird flu」と言われていたが、「ornith flu」とは言われていなかった。なんで学者にだけ別の接頭語を使うのか。これもランク分け?

しかし再び、漢字は便利だ。