クズ兄死去

旦那のクズ兄が、お空に行った。

 

人工呼吸器をはずす決断をしていたのだが、実際にはずす予定時刻の10分前に旅立ってくれたそうだ。それだけは、家族の心理的負担を避けてくれたような形になった。

老人ホームから病院に救急車で移されたのが5月18日ころだったから、半月弱だった。医療費も死ぬほど高いNYだから、心配していた。

 

以前、Ritaに「うちの旦那や姉さんは、あなたのお父さんには少年期、ひどい目に遭ったらしいわよ」と、つい要らぬことを言ってしまったことがある。Ritaは、クズでも実父だから、「でも父は、母のことを死ぬまで愛していたのよ」とかばって反論してきた。そりゃあんなクズに嫁いでくれる女性はNY広しといえども、未婚で身ごもってしまって父親になってくれる人を捜していた人でもない限り、ねえ~、とは思ったけど、Ritaは良い子なので言わずに飲み込んだ。Ritaは「父は、年を取ったら段々丸くなってきた」とは言っていたけど、「どこがだよ」と思った。だって、兄さんは、粗暴さは減っただろうけど、ジジイになっても、1つのケーキを何人かで切り分けた時だって、「あいつのケーキの方が俺のより大きい」と文句を言うようなヤツだったから。

 

ユダヤ人は、しきたりで、死後24時間で土葬をしなければならない。

ユダヤ人を嫌っていた兄だが、Ritaはrabbi(ユダヤ教の坊さん)を手配したと言っていたから、やっぱユダヤ教に則ってやるらしい。日本だったら、万が一にも蘇生などないよう、遺体は24時間は安置しておくのが法律だけど、宗教って時代がどう移ろうと絶対に変更しないところが嫌いだ。

 

旦那に、「Ritaに少しお金を送ったら?」と言ったけど、旦那は「我々にはそんな習慣はない」という。香典という習慣がないとしても、少しくらい送ってやったっていいでしょうに。

 

Ritaに、お悔やみのカードを送った。

 

彼女はNYのクイーンズ(Queens)区に住んでいる。話はそれるけど、NY市を構成する「マンハッタン」「ブロンクス」「ブルックリン」「スタッテン島」「クイーンズ」の5区のうち、なぜかクイーンズ区だけは、住所に「Queens」を書かない。それでも手紙は届く。旦那に「何で?」と聞いても、

「僕も変だと思う。まあ、昔、まだ人口がすくなくて田舎だった時代、町の名前だけで住所が足りていた名残だろう。Zip Code(〒番号)さえあれば足りるし」

と答える。人工800万を超えるNY市。だったら、他の区もそれに倣うか、あるいは、逆にクイーンズが他区に合わせて住所に区名を付けて統一したらいいのに、と思うのだが、そういう考えは余計なのだろう。