アメリカ人の旦那は、いつまでたっても未知なる英単語を供給し続けてくれるのだが、今回は「iodine」という単語だ。発音は「アイオダイン」みたいで、意味は「ヨウ素」である。
ヨウ素って、なつかしいね。小学校の時、パン等のデンプンに反応すると青紫になったヨウ素液。それと、消毒液としても用いられており、うがい薬とか、献血に行くと、針を刺す部位にこれを塗って消毒してくる。
なんでiodineの話になったかというと、最近、長期保存できる非常食を買ってきたのだが、あいつが、
「And how about iodine tablets to protect against radiation?」
と聞いてきた。
という意味だが「へ??なにそれ??」と思った。日本人はただでさえ海洋に囲まれ、海藻を食べているので、普通ヨウ素不足になる心配はないと思っている。放射能を浴びたらヨウ素を取ると良いの?
それはさておき、偶然が続いた感じなのだが、たまたまその夜、テレビを見ていたら、
「日本は世界第2位のヨウ素生産国です」
という話が出てきたので、ぶったまげてしまった
それで調べてみたら、ヨウ素を経済的に大量生産できる国は、世界でもきわめて限られており、1位は南米のチリ(世界の5割余り)、そして2位は日本(同3割)、3位はアメリカなのだった。日本のそれはほとんど、千葉県の、天然ガス鉱床から湧き出す地下水を使って作られているのだって。ひえ~~っ、天然資源を使用した世界2位の生産物が日本にあるとは! 千葉県の天然ガス、すごいぞ! こんな資源小国の我が国で! 知らなかった!
なんでヨウ素の錠剤が必要なのかと旦那に聞いたら、
「We should take it when the nuclear bombs start falling, so the iodine gets in your thyroid and blocks out the radioactive iodine in the fallout」
と説明してくれた。
「核爆弾が落ち始めたら飲む必要がある。つまり、ヨウ素を自分の甲状腺に取り込んでおけば、落下物に含まれる放射性ヨウ素をブロックできるから」
という。へええ?? この人は医学には超無知なはずなのに、なんでこんなことは知っているのだろう。
ともあれ、もうすこし調べたら、万が一そのような事態が生じたときは、「国民保護法」に基づき、知事などが、国民に、ヨウ素の錠剤を服用する時期を指示することができる規定になっているのだそうだ。またまたびっくり。ならば、自分で錠剤を買わなくても良さそうだ。
ウクライナとロシアがこういう状態だから、万が一核兵器の行使があった場合、日本から、ヨード剤を輸出するという「特需」もあり得ない話ではないのだなあ、と思った。いまでも、ヨード不足の国々には日本からヨード剤を輸出しているんだって。
参考