炊飯器のトリセツを読む

いま使っている炊飯器は、私が見た限り、唯一、「甘酒機能」が付いているタイガーの製品である。

時々、乾燥麹を使って甘酒を作るので、この機種を買った。

 

しかし当然だけど、甘酒よりも炊飯がメインである。

しかし・・・

買ってず~~~~っと「なんか、炊き上がったご飯がべちゃっとしているなあ」と不思議だった。

何度も、水を少な目にしたり、「冷凍ご飯」「早炊き」「エコ炊き」など、いろんなキーで炊いてみたけど、大差なかった。しかも、炊くのに1時間以上かかるので、遅いのも不満だった。

私は子供のころから、お米をといだら、最低1時間は浸水させるように習ってきた。翌朝炊くなら、前の晩から浸水させておき、朝スイッチを入れるのを長年の習慣にしていた。

 

それでも、変だと思ったので、買ってからろくすっぽ読んだ覚えがなかったトリセツをじーっくり読んでみた。

で、驚いた。

どこにも、「研いだ米を◎◎分間浸水させておく」という言葉がなかったのである。

なんで?

そんなわけで、思い切ってタイガーのお客様相談室に電話したら、やっぱり、米を浸水させる必要は無く、研いだらすぐスイッチオンして良い、と言われた。炊く時間が長い、と思っていたのは、それは、炊きながら浸水させる機能を含んでいるからだ、という説明であった。

はあ・・・・・

 

かくして、言われた通り、浸水させずにすぐ炊いてみたら、これまでよりずっと美味しく炊けた。「変だなあ」と思い、あれこれ調節してきたことは、全部無駄であった。ついでに、「もし浸水させた米を炊く場合は、早炊きにするように」とも言われた。しかし、試してみたけど、早炊きでもべちゃっとする。

 

そうなんだ~。時代が変われば、家事のやり方も変わる。いまどきの炊飯器は、浸水させずに炊けるように作られているんだ。

 

私自身は、旦那がガイジンだし、旦那の母親は継母なので、嫁姑の問題を味わったことがない。しかし、ネットを見れば、嫁と姑のバトルを描いた漫画や話は数限りなく出てくる。例えば、姑が、

「嫁子さん、ご飯を炊くなら研いで1時間くらい浸水させるのが当たり前でしょ。どこの世界に研いですぐ炊く人がいるの?」

と、自分の知識をひけらかすのに対し、嫁が、

「お母様、今時の炊飯器はそんなの必要なくなっているんですよ」

「なんですって?そんなバカな話は無いでしょ。あなたのお母さんはちゃんとご飯の炊き方を教えてくれなかったのね」

なんてやりあうのもありそう。

 

自分が長年してきたことが、必ずしも正しくなくなっている、という気持ちを持つことの大切さを悟った。