京都記(4) フジバカマ(藤袴)

フジバカマ、という植物をご存じだろうか。

京都で、昔住んでいたエリアをなつかしくもウロウロ歩いていたら、知ってはいるけどあまり寄ったことのないお寺に、この鉢植えがたくさん並んでいた。

「これって何と言う植物ですか?」

と、それら鉢の世話をしている男性に思い切って尋ねてみたら、「フジバカマです」との回答だった。先端に、白くてフワフワした花が咲いていたのだが、大部分はピークを過ぎたようで、その男性は、枯れた花を摘み取っていた。

 

 

その男性によれば、フジバカマの野生の固有種はほぼ絶滅してしまった、とのこと。しかし、こうして植木鉢に保存して、お寺の祭りがあると、庭や通りに並べて披露するのだ、という。

 

ハチのような昆虫がたかっていた。その男性によれば、この花は毒を含んでいる、という。

 

 

私が、

「え~~、毒? それなのにわざわざ昆虫が寄ってくるんですか?」

と軽く驚いたら、その男性は、

「フジバカマの毒は、昆虫のフェロモンを作る材料になったり、あるいは、敢えて体に毒を付けることで、鳥などから捕食されにくくなる効果を持っているんです」

と話した。私は、珍しい知識に感心してしまうと同時に、昆虫の賢さに感動した。

昆虫って、案外、バカにできない。いやしかし、人には話しかけてみるものだ。

 

 

寺町通のアーケード商店街には、三条通を上がったところに、京食材を売る老舗の店が2軒ある。毎年いまの時期には、マツタケ様がうやうやしく店頭を飾っておられるけど、しかし、正直に言って私、マツタケって「美味しいものではない」と思っている。ろくに食べたことのない貧乏人のひがみと思われるだろうが、香りもまあ、良いっちゃ良いのだろうけど、あれは決して味が良いから食べるものではない。世間では、人工栽培できず、高いから、市場価値が髙いだけだと思うぞ。