吉見、というのは埼玉県 比企郡吉見町という地名である。まさか、横浜から乗り換えもせず東横線1本でここまでアクセスできるとは思っていなかった。
入り口で300円払う。
ぎょっとする光景だが、こんなふうに、岩の横一面に、穴ぼこが219基確認されている。
明治時代に発見された際、当時は東京大学大学院生で、のちに博士となられた坪井正五郎が、研究の結果、これらは古代人「コロボックル人(土蜘蛛人)」の居住・兼・墓穴である、と発表したそうだ。
「東大の偉い学生さんがおっしゃるのだから、まちがいねえべ」
と、当時の庶民は受け止めただろうか。しかし、その存在すら科学的に検証されていない「コロボックル人(土蜘蛛人)」なる小人がいたとする説に学界からはさすがに反発が出て、その後、他の地域の横穴の発掘調査が続いた結果、これは、住居ではなく、古墳時代(1400年くらいまえ)のお墓だったという説が確定し、今日に至っている。
小人の住居跡、と考えた東大のかた、蛮勇すぎたかな。でも面白い。
とはいえ、ほんと不気味な穴たち。
ついでに、天然記念物の「ヒカリゴケ」も生えている。このコケは、山地に生えることが多く、このような平地に生えているのは極めて珍しいらしい。
遠景。高い樹木や白い建物の向こうに穴ぼこぼこが見える。
蛇足。
私は東武線にはまったく疎い。
しかし、この吉見駅の少し先に、「男衾」という、なにやらヒワイな感じのする駅名を発見してしまった。難読で知られるという。かつて、おカマの方々でも住んでいたのだろうか?