大谷本廟、南禅寺、等持院など

父方の祖母は、あらゆる人々から嫌われて死んでいった狂人だったのだが、父はどこから知ったのか、京都は東本願寺大谷本廟に、そのお骨を一つ納めてきた。その時の書類も残っている。

実の母親ながら、産み捨てにされ、その手で育てられたわけでもなかった奇異なる母と息子だった。それでも父は京都に出向いてそんなことをしていたのだ。

母の納骨の際、それが頭にあったので、墓を開けたとき、両親の骨壺から骨を1片ずつ拾い上げ、通販で買った骨壺に入れて保存して置いた。

今回の旅は、奈良正倉院展に行くことと、それから、この納骨が目的だった。

 

 

祖母同様、「祖檀納骨」というものに申し込んだ。信心のない私が、人の骨片を納めるなんて、テンションmaxだったのだが、受け取るお寺側は、何とも思っていない様子だった。いまサイトを見たら、年間12,000件も納骨があるそうだ。ひえ~~。

 

両親とも別に信心深かったわけではないが、父がクソババアにしてやっていたのに、私が両親にしていないというのもなんだったので、とりあえずほっとした。

 

さて、人の骨片だから、犯罪ではないことを証明するため、霊園(墓地)から、分骨証明書をもらっていた。それに加え、たまたま母の法要をしてもらっただけの、檀家でも何でも無い寺の住職さんに、

「お骨を本願寺に納めたいと思っている」

と話したときも、同様の証明書をくれて、

「こちらを提出してください」

と言われた。今回、その両方を持参したところ、受付のお坊さんは、最初に出した霊園からの書類は全く関心なさそうな表情だったが、寺からの書類を見たら、「お~~、これです、これです」と、ニコニコ顔。結局、霊園からの書類は全然要らなかった。檀家でも何でも無い寺なのに、同じ浄土真宗のどこかの寺からの書類が絶対的に必要なようだった。納骨費用の一部がコミッションとしてその寺に渡るのだろうか?

 

 

京都に行くと、ほぼ必ず立ち寄る南禅寺。街中では残念ながら紅葉には早かったけど、この水路閣は、いつ見ても美しい。南禅寺の敷地に造られながら、あまりにもぴったり合っている。

 

 

 

 

京都に住んでいた頃から、なぜか「等持院」が大好きで、今回も立ち寄った。

ここは住宅街を通って行くのだが、普通の旅行者にはちょっと分かりにくい場所だ。立命館大学の南側にくっついており、なんというか「立命館大学付属寺」って感じ。大きくはない寺だが、足利家の菩提寺で、とにかく庭が美しい。

 

 

 

この寺には、徳川家康の像および、足利15代将軍のうち5代と14代以外の木造が安置されている。

5代14代は、早世したか、あまり伝がなかったらしい。とはいいながらわずか10歳で亡くなった7代だって木造があるのに。

 

 

あと、京都のマンホールはちっとも美的ではありません。