ネガティブな情報ほど信じられやすい

富士山の爆発がずっと噂されている。この間、産経新聞に、登山家の野口健氏が「それに備えよ」っぽいことを寄稿していた。が、氏は著名だけど、「登山家」であって、「火山研究者」でも「地質学者」でもないんだけどな~~。

 

噴火や地震などの自然現象を予測できる人はこの世に誰もいない。御嶽山の2014年爆発を正式に予言していた学者がいたなら、教えてもらいたい。

 

ところで、「爆発するかもしれない」ということは、つまり、「爆発しないかもしれない」と同義でもある。

誰にも正解がわからないだけで、今の時点では、どっちも正しい。

 

そういえば、1970年代の昔、「ノストラダムスの大予言」という大ベストセラーが出た。

1999年の前年までシリーズで何冊も出され、それぞれが売れに売れた。内容は、

「1999年7の月に人類が滅亡する」

という、やたら恐怖心をあおるものであった。

しかし、その大予言は見事にはずれた。

著者の五島勉なる人は、その後どういう人生をたどったのか全然知らない。が、とにかく、この本が出版されたとき、国民の多くが、

「あと●●年でみんな死ぬんだ」

と、パニックになった。

 

しかし、だ。もし、

「日本は平和なまま21世紀に突入し、繁栄を続けます」

なんて内容の本が、当時、仮に出されたとしても、誰も買わないだろう。

人間とは、かくも、不幸な内容、ネガティブな情報に過大に反応する生き物であり、売る側も、儲けるためには、カネにならないポジティブ情報ではなく、ネガティブ情報、しかもなるべく不幸と恐怖をあおり立てるものを売るのだ、ということ。