日本に住んでいると、あまりに良い国すぎて、頭がぼけちゃうのではないかと、時々自分の頭と考え方を心配した方がいいかもしれない。
「めいろま」こと、谷本真由美さん著「世界のニュースを日本人は何も知らない3」を読んだ。この本は、彼女が体験したり調べたりした、ヨーロッパ人やヨーロッパの生活について書かれている。
谷本さんは、国連職員を経験したりで、海外経験が豊富だ。現在はロンドンに夫と子供と住んでいる。
ヨーロッパについては、アメリカほどには知らないというのが日本人の大半だと思うが、我々のイメージでは、
・伝統文化がある
・先進的
・環境保護に熱心
・宗教心に篤い
・真面目に働く
とかいった感じだろうか。とにかく悪いイメージは持っていない。
しかしこの本を読んで何より感じたことは、
「ヨーロッパの人らは、働かない」
ということ。これは、「労働は神様からの罰」という宗教観があるのも日本との大いなる違いだと私は思っている。とにかく日本人のように、仕事を完成するためにはごく当然にサービス残業するような制度はなく、定時退勤、有給休暇消化率100%が義務づけられているから、いつも人手が足りない。そして彼らは働かない割に給料が高い。彼らを使う側も大変そうだ。
それともう一つ日本との大いなる違い。日本人は、「機械は必ず動くもの」とごく当然に信じていること。新しい機械も絶対動くと思っている(メーカーがそれだけテストしまくったものを出しているから)。万が一、故障でもしていようなら、客として堂々店に抗議ができる。抗議をしたら謝罪してくれるし、新品への交換や賠償までしてくれたりするこ。また、保証期間内なら修理人がアポどおり正確に飛んできて、100%修理してくれる。かくして、日本では、トイレも風呂もどこもなんでも機械で作動するものばかりになった。当然のように。
しかし、ヨーロッパでは、機械類がほとんど日本の昭和時代のものレベルのものをいまだ使い続けいるのが普通だという。なぜかというと、「機械は壊れるもの」と彼らは思っていて、機械を当てにしていないからだ。そして実際にヨーロッパの機械はよく壊れるそうだ。壊れても、メーカーに電話したって「そんなの俺たちの責任じゃない」と抜かす。しまいにゃ、いくら電話してもコールセンターがインドに転送されたりする。
修理を呼ぶにも、人件費が馬鹿高い上、修理人のスキルがまちまちで信用ならないそうだ。なので、ヨーロッパの人たちは、修理が上手な人を知っていると非常に重宝がられるという。日本みたいに新しい機械が普及しないのは、「自分で修理ができない」からなのだそうだ。昔からあるものなら知っているし、備品も店で売っているから、自分で直す人が多いらしい。なので、日本みたいに、最新型のウオッシュレットだの、自動で沸くお風呂だの、栓を使わないでセンサーで水が出る水道だの、自ら直せないような機械は、なかなか普及しないのだという。駅の機械も恐ろしく古く、しょっちゅう故障するから、いまだ紙の切符を買って駅に入る、とか。アナログバンザイ、らしい。
ひえ~~~。
そして、彼女が言うには、
「ヨーロッパの生活でもっとも重要なことは、とにかく何も期待せず、すぐあきらめること」
なのだそうだ。
ひえ~~、ひえ~~~!!
日本に生まれ、日本に住んでいるだけで勝ち。