財政危機の京都市

「旅はいい 帰った家はもっといい」

とある盲目のひとが詠んだ川柳だそうだ。

ふむ、うまい。実際帰宅すると、しみじみ思う。

 

新婚時代住んでいた京都市。まさかまさか、京都という土地に、ガイジンが働くような会社があるとは微塵も思っていなかった。私にとって京都とは、修学旅行で行くところでしかなかったから。

旦那に、

「どうしてアメリカから京都のあの会社に履歴書を送ろうと思ったの?日本人の私でさえ知らない企業だったのに」

と聞くと、彼は「忘れた」と答える。はぁ? ともあれ、日本人の私でさえ全く馴染みのない京都で、住むところをさがし、あわてて引っ越しをし、家具ひとつないところから家をこしらえていった。若かったから、至らないことだらけだった。ましてや関西というか京都は勝手が全然違い、アメリカ人旦那もそうだっただろうが、私も苦労した。

 

今では、とりあえず、住んでいたことで土地勘を得たことは、まあ、ありがたいかな、と思うが、しかし、できれば半年に1度くらいは行かないと、町並みの変わりように、ついていけない。

 

ホテルの部屋でときどきTVをつけたが、なぜか、京都市長が何度か出ているシーンに2度ほどでくわした。

京都は、深刻な財政難にあえいでおり、このままいけば10年内に破綻するのが目に見えている状態だ。市長も、この財政難をどうするかに言及していた。

若い学生が多いことで、人口の割に住民税が入ってこないこと、それから、寺が多く、法人税や固定資産税が入ってこないことも、ネックになっている京都。

学生から税を取るわけにはいくまい。となると、寺から取るものを増やすしか現在の選択肢はなさそうだが、寺々から猛反発が上がるのは目に見えている。

しかし、いまある寺々を見ても、到底「宗教活動に専心している」とは思えない。はっきりいって観光事業、葬祭事業者、宿泊事業、飲食事業の方がメジャーではないだろうか。

ちなみに「宗教法人だから課税されない」という意味ではなく、「宗教活動には課税されない」ので、収益事業をおこなえば、寺であっても所得税は課税されるのだそうだけど、

 

 

 

たとえば。。。

いまどの銀行も、小銭の受け取りを拒否し出しており、一定以上の枚数の集貨には手数料をかけるところが多い。

そこで、賽銭じゃらじゃらを回収する銀行に、手数料に加え、さらにその30%くらいを税として取るのはどんなものだろう?

これがいやだからといって、寺側がためこんでも、保存枚数や手間に絶対に限界が来るだろうし。

固定資産税を取るなんて検討し出したら、さぞ寺は暴れるだろうなあ。でも、あれだけ寺が市の面積のかなりを占めている市は他にないので、検討の余地はあるかと思う。