和製英語「マグカップ」

長年こういう生活環境だと、何か英単語を発する前に、

「これは和製英語かも?」

と思うクセが付いている。で、発語する前に調べる。

 

先日もそう。私は冬になると、時々、スキムミルクを熱いお湯に溶かして飲むのが好きなのだが、昔使っていた、焦げ茶色っぽいマグカップを捨ててしまったのを後悔している。普通、ああいうマグカップティーカップは、コーヒーや紅茶を入れることが多いので、中は濃い色ではない。白が圧倒的に多い。しかし、ミルクの色を映えさせるには、濃い色のカップが良い。ネットで検索したり、お店に寄って見ているけど、気に入った商品が見当たらない。

そこで、アメリカ人旦那に、

「あなた、アメリカのおうちに、濃い色のマグカップって持っていたよね?」

と、聞こうとした時、そのクセが発動した。

そうしたら、「mug cup」というのは和製英語で、正しくは「mug」だけで良いのだと知った。お~、調べておいてよかった。もし「mug cup」なんて言ったら、「は?」なんて変な顔をされること請け合い。

 

あと、先日も、「卵の価格が高騰している」とメールで書こうとして、クセ発動。

「高騰する」って、「Sore」だったっけ? 「Sour」だったっけ?

で、調べてみたら、「sore」は 「痛い」、「sour」は「酸っぱい」。2つとも形容詞だ。結局、「高騰する」は「soar」。

みんなつづりが似ていて、私にとっては紛らわしいのだが、これらも間違えたらバカにされそうだ。産まれたときから英語で生活している人間には、これらが「似ている」と思う感覚すら理解しがたいかも知れない。ま、日本語の同音異義語の多すぎに比べたら、このくらい大したことないのかもしれないが。

 

人間、何でも一生間違え続けるもの。

私の生育環境を思い出す。のちに、東大にストレートで入った超頭の良い兄が居た。

この男は、小さい頃から、人が何か言い間違えたりするたび、鬼の首を取ったように指摘して、こきおろすのだった。白目までむいて、バカにされた。だから、私はものを間違えるのを極端なくらいおそれた。

母は、自らが男尊女卑論者だったので、息子である兄にバカにされても、「男の子だから」と反論しないで、我慢していた。

そういう態度は良くない。思い切って「人を馬鹿にするのはいけない」と教えるべきだったんじゃないのかな。

今では、人の間違えにも寛容になった私。それでもやっぱり、自分が間違えるのは恥ずかしい。