英語では、永遠に苦労が続いている。
しかし、日本人は英語nativeに気を使いすぎなのかもしれない。
私は、旦那に、日本語で書かれた記事(URL含む)を送る時は、常に、英訳か、長くて手に負えないときは最低限summaryを添えてから送る。しかし、あいつが私に送る時は、常に、英語の記事のまんま。訳もsummaryも絶対につけない。
先日も、
「いまアメリカではチャイナに対する感情がこんなふうになっている。読まなくていいけど」
と言いながら、私にアメリカの新聞記事のURLを送ってきたので、久しぶりにカチンとなってしまった。
「You don't need to read it (読まなくてもいいから)」
というのはどういうことだろう?「こういう記事だよ」というのだから、読まないとわからないではないか。
「なんでアメリカ人って、世界中の誰でも英語が読み書き会話できるのが当たり前だと思っているの?」
と、常々思っていることを食って掛かると、
「No Need to readって書いただろう」
と言う。しかし、読まないでもいいと言いながら、送ってよこすか?悔しいから、その記事を読んでやったけど、長かったので15分かかった。途中いつもながら知らない単語がいくつも出てきた。アメリカの新聞記事は、日本人が学校や英会話スクールで習う英語と全然違い、いつまでたっても読みづらくて仕方ない。
「読まなくてもいいから」
と言いながら送ってよこす理由を考えたのだが、あいつは、私が「ざーっと読み流して意味を取れる」と思い込んでいるのだろう。しかし、表意文字の漢字ではなく、発音記号に過ぎない26個のアルファベットの羅列は、いつまでたっても、アメリカ人がするように「ざーっと流し読み」はできない。支那語の新聞の方がまだ流し読みできそうだ。それがアメリカ人にはわからないのだな。
これは、前回、アメリカに行ったときのこと。旦那は、アメリカに保有している資産について、彼の姪と私に相続させるため、ある弁護士事務所を使い、遺言手続きを行った。私とともにその弁護士事務所を訪れたとき、女性弁護士が名刺をくれた。変わった姓だったが、移民の国アメリカでは、姓なんていくらでもあるから、私は気にしなかった。
そうしたら、旦那のほうがその点が気にかかったらしく、彼女に姓の由来を尋ねたら、
「ああ、私の夫がスウェーデン人医師なので」
と答えた。つまり、結婚によってスウェーデンの姓を名乗ったのだ。アメリカでは夫婦別姓でも合法的に結婚できるので、わざわざ読みにくい姓に変更する人もいるんだぁ、と思った。
その彼女は、私に向かって。
「これから英語で会話を進めるけど、いいかしら?」
と聞いてくれた。これにはびっくりした。アメリカ人から、こんな気を使った言葉を聞いたのはマジで初めてだったからだ。これはやっぱり、彼女の夫が外国人で、おそらくは英語に苦労しながらアメリカで生活しているから、そういう気遣いができるのだろうと思った。
私は、
「Well, there is no other choice」(ま、ほかに選択肢がありませんから)
と答えて、みんなでちょっと笑って、会話がはじまった。
もう旦那に日本語の記事やメールを送る時は、英訳もsummaryも付けない。
と、まんま送ったら、全然読まない。題名だけかろうじて読むだけ。