私が売ると上がる「株」

もう売ってしまった株式の価格を振り返っても意味は無いのだが、ちょっと調べてみたら、私が売った株は、その後、確実に上がっていた。

こういうときに「あ~~、いま売っていたら」と思ってはいけないのは百も承知。その、売った時点で「黒字にはなったのだから、これでよしとすること」という得心を、後になってジタバタしても意味は無い・・・・ のだが。

 

先の見通せる人間は、世界中に一人もいない。

 

かのウォーレン・バフェット氏は、投資の世界で鉄則とされている、「分散投資」には異論を唱え、十数社ほどに集中投資をしている。ご本人が徹底して調べ上げ、これぞと思った企業なのだから、そういうことが言えるのだろう。我々凡人にはそこまでの調査はできない。また、氏は、

「一度買った株は最低10年は持っていること」

ともおっしゃっている。が、氏はもう91歳である。今でも呆けずに投資活動を継続しているのは素晴らしいことだが、誰でも寿命に限界はある。氏はおそらく遺言で、自分の死後は福祉に寄付をするように定めていると思うが、我々のような凡人が、認知症になる前の間、長期で株式を保有・運用するのが可能な年齢を考えると、60代半ばくらいまでかなあ?

 

とはいえ、金儲けがかかってくると、人間、元気になる。

以前も書いたけど、徳島県の山奥に、料理の「つま」に使う葉っぱを山から収穫して都会に送るビジネスをいとなむ「いろどり」という会社がある。そこに参加している婆ちゃんたちは、自分の売上げを確認するためにインターネットを使いこなすし、

「孫が結婚するから家を買ってやらないといかん」

などと、金儲けに余念が無いのである。更にすごいことには、彼女らの病気罹患率は極めて少ない。普通、年寄りの仕事は病気と通院だけど、できる範囲で働いてカネを稼ぐことが、いかに人間の健康に貢献するか、という証左である。

投資とか運用について知識がなくとも、こうして、できる範囲で稼ぎ続けることが、日本人の国民性には合っているようだ。

 

とはいえ、学校時代、私らは投資の「と」の字も教わらない。いや、投資以前に、節約して貯蓄することの大切さも教わったことがない。親が教えなければ、あるいは本人が自ら学ばなければ、一生知らずに終わってしまう。

私も長い間、定期預金にする以外、全く知らなかった。そこから転換したのは、以前勤めていた会社で、退職金を撤廃する代わりに、日本版401kで運用するように切り替えたことがきっかけである。

 

しかし、株式はやっぱり心臓に悪いから、最近は投資信託をこまごま買って分散投資した。10年は放っておくつもり。