坂本龍一氏 死去の前にやっておいていただきたかったこと

長い間、がん闘病を続けていた坂本龍一氏が、ついに力尽きた。

71歳というと、いまの時代では「若い」と思える。

彼の肩書きは、いつも「音楽家」だった。ミュージシャンとか作曲家ではなく「音楽家」という、昔ながらの漢字3文字の肩書きが、却って坂本氏らしかったと思う。YMOの音楽では、世界中のミュージシャンたちに影響を与えた。

 

が、しかし、後年になってから、「脱原発」とか、「たかが電気」などという、ちょっとナンだなあという発言も増してきた。たかが電気、というけれど、電気がなかったらCD1枚作れず、楽曲のネット配信も出来ず、コンサート1つ開けず、ましてやがんの治療薬だって1つも作れないんだけどなぁ。

 

ともあれ、桁外れの才能を持った方がいなくなってしまったのは事実。女性遍歴がいろいろおありだったところも私は好もしいと思っている。

 

坂本氏においては、お亡くなりになることが随分前からはっきりしていたので、できれば1つ、You tubeか何かに「遺言動画」を残しておいていただきたかった。

それは、「安楽死の推進を願う動画」である。

 

 

上のサイトの情報が真実だとしたら、半年ほどまえから、苦痛と闘い続けていた坂本氏。しかも、いくら闘っても闘っても、その先にあるのは絶望のみ。治る可能性はゼロなのも自明。ただひたすら死ぬために悶絶の苦しみに耐えるしかない日々を送ってきたようだ。

 

>「つらい。もう、逝かせてくれ」と頼み込むほど

なんとむごい。

 

残酷なことを言って本当に恐縮なのだが、そういう壮絶な闘病姿をYou tubeなどに残し、早く安楽死法案を推進するように直言してから逝去していただきたかった、と思う。坂本氏ほど世界的な著名人の訴えであれば、政府も動かざるを得ないのではなかっただろうか。凡人が何万人と苦しんでも、政府に声は届かないのだ。

私の記憶が確かなら、2016年に亡くなられた大橋巨泉さんも同じように「こんなに苦しむのなら、いっそ殺してくれ」と訴えたそうだ。

死に至るまでのがんの苦しみは、本人はもちろんだが、見ている家族にも地獄。

もう死ぬしかないとわかっている状態ならば、安楽死を勧めて悪いことは何もない。

問題は、しかとした法制度がないため、どの病院もわかっちゃいるけどやりたくないことだ。殺人罪に問われないような法制度を、なんとか設定して欲しい。私だって自分ががんにかかって治療法もないのなら、苦しまずに死にたい。