埼玉県飯能市で、40歳無職の男が、近所の一家三人を撲殺して逮捕された。撲殺しただけでなく、灯油まで撒いて火を付けたそう。
40歳で無職って、それだけでも「何だよ」と思ってしまう。
聞いた限りだと、この男の家族は、この男に暴力を振るわれるので、この男を見捨てて逃げてしまったそうだ。
無職で40歳で、見捨てられて、どうやって食って生きてきたのだろう。この男の家の庭は、案の定、雑草がボーボーだったそうだ。ならば、家の中もゴミ屋敷になっているのは容易に想像がつく。
そして、この被害者宅には、門扉や車を傷つけられたりする被害を受けてきたのに、何遍逮捕されても「不起訴」となったそうだ。
こういう中高年無職男の犯罪で思い出すのが2つ。
1つは、登戸の通り魔殺人事件。容疑者は52歳の無職男。このとき、TVで見た容疑者の写真が、中学校の卒業アルバムだったのを覚えている。52歳にもなって、成人後に撮影した写真1枚もない生活をしていたようだ。
それから、農林水産省事務次官だった男性が、引きこもりの息子(44歳)を殺した事件も思い出す。あの息子は、当初、統合失調症と診断されていたところ、アスペルガーに診断名が変更されたようだ。そして、家族にさんざん迷惑をかけまくることを悩み抜いた父自ら手を下した。この結末をWikipediaで読んだら、高等裁判所で結審しており、正当防衛が認められず、一審どおり、懲役6年の判決だったようだ。
かっとなると狂気に走る男は、確かに存在する。そんな人の近所に偶然住んでしまったら、おいそれとは逃げられない。
何遍逮捕されても「不起訴」になるなら、住人はどうしたらいいのだろう。ましてや「精神疾患」を負っていたら、昨今の風潮で、腫れ物にさわるような高貴な扱いをされるのも問題解決を曇らせる。
あげくのはて、働きもせず家族に暴力を振るう状態になってしまった息子を、家族はどうしたらいいのだろう。
農林水産省事務次官だった被告人のケースだと、長男から「殺すぞ」と脅されて、これじゃ息子を殺さないとやられると思ったそうだが(至極当然と思う)、判決文を見ると、
「長男は被告を追いかけたり、攻撃するような動きは見せておらず、危害を受ける危険性は迫っていなかった」
のですって。は? これは、その場に全然いない外部の第三者が、その場面だけを切り取って冷静に書いているだけの文章だよね。
つまり、裁判所もなかなか守ってくれない日本なのである。
近所に変な人が住んでいませんように。