逃げても良いし、我慢もしなくて良い場合だってある

要らぬ我慢は、したって全然ためにならない、逃げられれば逃げたっていいんだ、と、長年働いてきて、強く思うようになった。

 

私ら日本人はマジメな国民性だから、どんなにつらいことがあったり、つらく苦しい場面に遭遇しても、逃げずに立ち向かい続けることが大切だ、と教わってきた。

たとえば、会社にセクハラ・パワハラしたりする上司がいたとする。

20年くらい前なら、女性は、尻や胸にさわられても、笑って我慢するしかなかった。パワハラ上司がいても、上司だから、と会社は取り合ってくれなかった。

それが今は、会社が動いてくれなかったら労働基準監督署などにチクるという手段もある。

また、私は、ネットによく出ている、嫁いびり姑や使えない旦那の話を読むのが好きなのだが、いまならそういう面々とも別居、離婚ないし絶縁し、女性一人でも逃げて悠々暮らせるだけの職がある場合が多くなった。

 

昨日再び、ジャニーズ事務所の記者会見があった。

変態ジジイの姪であるジュリー氏は今回出て来なかった。

ネット上には「ジュリーは逃げた」という批判があったけれど、私は、逃げたってかまわんよ、と思った。

 

私の経験則だが、会社でも、自分が犯したミスを謝罪するって、つらく、恥ずかしいことだった。

しかし、同僚とか部下の犯したミスを、同僚ないし上司として謝罪するのは、実に気楽だった。謝罪相手からの批判や怒りなども、わりとすーっと聞けたものである(自分のせいじゃないから)。しかし、ミスをした当人だと、こうはいかない。だから、ジュリー氏が、ヒガシや井ノ原や弁護士らに会見を一任してもそれは全く構わない、と私は思った。パニック障害がどうあれ、彼女が出てきて、冷静に話せるとは思えないからだ。

 

ヒガシ、井ノ原、とか、あと2名の弁護士は、変態行為をした当事者ではない。たまたまあの変態ジジイのスキャンダルを受けて、職責を負うことにした人間たちである。自分の個人的な落ち度に対してではない謝罪であれば、いくらでもできる。もちろんジュリー氏は、変態行為にかかわったわけではないが、あの変態ジジイの姪なので、「食事をしたこともない仲」ではあっても、その親族である以上、ほぼ当事者として一体視されてしまう。男4人に任せて正解だったのではないか。

 

あと1点、これも私がズレているのかなあと思ってしまったのだが、彼女に対する「税金逃れ」という批判である。母メリーから会社の全株式を承継したとき、「事業承継税制」という制度を利用し、税金を払わなかった、という批判は、おかしいと思う。

民間事業者なのだから、使える法律や制度は使いまくって、少しでも税金を抑えるようにする。

これの、どこがいけないのだろう? 私にはさっぱりわからない。合法的に税を払わなくて済む制度なら、むしろ堂々使うのが経営者ではないのか? ジュリー氏は何も悪いことはしていない。

 

もっとも腹立たしいのは、あの変態ジジイが生きているときには、週刊文春を除き、一社も変態報道をしなかったマスメディアが、いざ国際問題にまで持ち上げられたとたんに「人権侵害」と手のひら返しをし、そろって事務所を糾弾し始めたことである。

なにがいまさら「人権」だ! お前らはそんなに正義か??

文春を除くマスメディアも全員同罪である。

 

とにかく、すべてはあの変態ジジイのせいだ。かつては「強姦罪」というのは男性から女性にする行為に決まっていたけれど、男同士でも「強制わいせつ罪」なら成立したのではないか。

泉下からジジイを連れてくるわけにもいかないけど、被疑者死亡のまま、強制わいせつ罪で書類送検するわけには・・・・ ああ、証拠が残っていないからなあ。

 

最後に、被害者らも、いま勢いを得ているけど、変態ジジイにやられたら、親や周囲にもっと相談し、こんなのはイヤだと訴えるくらいの知能は、10代ではあっても持っているべきではなかったか? これも日本人独特の「我慢は美徳」だったのか?