しばらく前の話だが、長野県の地獄谷温泉に行ってきた。
ニホンザルが温泉に入ることで有名な場所だ。しかし、真冬の雪深い時にこんな山奥に行く勇気もないし、うちの旦那のもろい足では無理だと思い、雪が解けてからにした。
北陸新幹線で長野駅下車。子供のころ住んでいた長野。懐かしい。当たり前だけど、かなり変わってしまった。
バス停は、私の子供時代、「さびれた裏口」と思われていた東口にあった。そこから地獄谷行き直行バスに乗るのだが、まあ、まあ、びっくりしたことに、日本人は私くらい?で、あとはみんなガイジン観光客だった。
相当の山道を歩くのかと覚悟していたが、めざすところまでは、狭いながらもこんなふうに小川沿いに歩道が整備されており、40分ほど歩くだけであった。安心した。
歩道の直下には、大きめの急流。
いた、いた。猿たち。
かなり気候が穏やかになっていたので、温泉につかっている猿は少なかった。
しかし、びっくりしたのはガイジン観光客たちの方。一体、どこからこんな情報を得て、こんな山奥まで来るんだろう?
聞いていると、彼らの言葉は、英語ばかりでなく、ドイツ語、フランス語、スペイン語かイタリア語、C語、etc.,と、多彩。
途中で、入山料を一人800円とられる。
この料金で、地元の人たちが、温泉を整備し、野生の猿たちに餌付けをし、観光資源化しているのだろう。
餌は、大麦を撒いていた。
猿たちの出勤状況は、ライブカメラでも見ることができる。
往復のバスの本数が少ないので、バス待ちの時間が長い。その間に、スマホで、自分の質問を和訳した画面を私に見せて質問をしてきたガイジン観光客がいた。
アメリカ人旦那と歩いていると、ガイジン観光客に道を聞かれることはザラにある。向こうも、聞いて答えてくれそうな人間を選別しているのだ。以前は口頭だったが、最近はこうしてスマホの和訳で聞かれるのも出てきた。私がそれに対して英語でベラベラ回答してやると、英語nativeではない彼らは、逆にわからなくて「?」と言う顔をしていることもある。
バス待ちの間、若いカップルに話しかけたら、なんとブラジルから来た、と言う。片道27時間くらいかかった、と。
私が大げさ目に、
「ひえ~~。地球の反対側からここに? どうしてこの猿の情報を?」
と尋ねてみたら、彼らの情報サイトで、ここが「日本で行くべき場所」に入ってたのだ、と言う。わ~、温泉猿は、ブラジルまでとどろいているんだ。
ま、そんなわけで、英語が話せると、いろいろ楽しいよ。