少子化、少母化

政府が発表した、2023年の1年間に生まれた子供の数は、75万8631人、とのこと。8年連続の減少で、いうまでもなく過去最低の数字だ。合計特殊出生率は、まだその前年の数字しか出ていないが、2022年だと1.26、とのこと。

 

しかし、国はまともに仕事していないなあ、と思った。

 

厚労省の国立社会保障・人口問題研究所は将来推計人口で、76万人を割るのは35年と見込んでいたが、実際は12年早まった形だ」

 

一体、厚生労働省は、どこからこんなおめでたい数字を見込んでいるのだ? 

 

女性が高学歴化し、乳児が死なない医療がある国では、どこでも子供が少ない。子供が多く生まれるのは、乳児の死ぬ確率が多い未開発の国である。ほんと、この現象は世界共通だ。この歯車が逆にまわることはない。だから、政府がいくら、

「金やるから子供を産め」

と鼓舞しても、無駄だと思う。子供は、政府から金をもらえるから産むものではない。

 

女性が、結婚しなくても生きていける社会になったのも、拍車をかけている。私が社会に出始めた当時は、女性はクリスマスケーキで、25歳くらいまでに結婚退職し、夫に養ってもらいながら子供を2~3人産むのが当たり前であった。当時は、どんなに仕事のできないおっさんでも、定年まで勤め上げることができ、そのため、専業主婦の妻に子供が2~3人いたものだ。極端に使えないおっさんでも、「資料室」とか「社史編纂室」なんて部署で養ってもらえた。今だったら、考えられない。当時、会社は、生活保護の機能も果たしていたのだ。

 

バブル崩壊から就職氷河期が来た。氷河期世代の年齢を調べてみたら、1970年から1982年生まれ世代だそう。これって、人口が多い第二次ベビーブーム世代かそのすぐあとではないか。彼らは今、42歳から54歳と、中年まっさかりである。しかし、人口が多いにもかかわらず、彼らは、まともな就職ができず、非正規で食いつないできた人も多い。よって、結婚できなかったか、したとしても子供を持たない人も多かったのではないか。

だとしたら、彼らの子供世代である、いま10代から20代の子供の数は、ぐーっと少ないに違いない。下のピラミッドの通り。

 

 

 

このため、これから成人し社会に出る若い女性は、さらに少なくなる。少子化の直後には、「少母化」が控えている。少ない母体に、一人10人産んでもらうわけにはいかないし。

 

大谷翔平選手が今日突然結婚を発表してびっくりした。彼のような超富裕層の奥様には、子供を5人でも10人でも産んでいただけたらありがたいものである。