執行猶予が付かなかった上級国民氏

農林水産省の次官、熊沢氏(76)には、執行猶予が付かなかった。

 

裁判長の判決理由を聞いていると、やはりしょせんは他人事で、理想論に聞こえた。

「同居してわずか1週間」

という期間で息子を殺害したことを、

「短絡的」

と断罪したが、年老いた親に向かって「殺してやる」と叫ぶ粗暴な輩は、同居が1日であろうと3日であろうと、殺しにかかってくるのであって、その期間の長短は問題ではないと私は思うんだがな。裁判官は、「転居も可能だった」などとも言っていたが、それで解決できるわけがない。

 

再犯や逃亡のおそれもないし、高齢なので、執行猶予を付けてやってほしかった。

罪状認否に争いはないので、弁護側も、嘆願書を集めるといった、ひたすら執行猶予狙いの行動をしていたようだが、かなわなかった。

控訴する余力も残っていなそうに見えた。

 

44歳にもなるおっさんの息子は、妹が自分のせいで自殺しても、ちっともこたえていないらしかった。

それが「アスペルガー」という症状のこわさなんだろうか。

この上級国民氏から学んだのは、自分の苦しさや悩みは、抱え込んでいないで、多方面に相談しないと、積極的に解決に向けて努力していたとは受け取られないということ。

上級国民というプライドで、他人に弱みを見せられなかったのだろう。

 

一つ疑問だったのは、この息子殺しが、川崎市登戸のあのカリタス小学校の事件に触発されたと聞いていたのに、それについての話がみじんも出ていなかったことだ。あれに触発されたとしたら、弁護上まずいのだろうか?

 

ともあれ、「無い子には泣かされない」という。私は子供がいなくて安心してしまう。悪いけど。

 

しかし、うちのアメリカ人の旦那に、ひきこもり、とりわけ中高年になっても家にこもり続けるという問題を、どう説明してもわかってもらえない。

「そんな話、アメリカじゃ聞いたことがない」

という。やはり、18歳になったら親元を出るという習慣が、日本より深く根付いているかららしい。

しかし、アメリカにだって、発達障害者や精神に支障のある人、粗暴な人はいくらでもいるはず。

「そういうのは、アメリカでは、ホームレスになって、そのうち拳銃をぶっ放して事件を起こす」

などと言うが、そっちも困る。