金(きん)の買い方

「辛い」(からい・つらい)や「額」(がく・ひたい)、「ロ」(くち・カタカナのろ)と並び、「金」は「きん」なのか「かね」なのか、別の漢字にして欲しくて仕方ない字の一つである。私の提案としては、「かね」は「金」のままでいいから、金属を表す場合は、かね偏にきん、「金金」と、として欲しい。それならば「銀」「銅」など、他の金属の漢字と同様になってよろしい。

 

さて、今日は「キン」(以下金)の話。

武漢ウイルスの災いを受けてか、金価格が史上最も高騰している。

田中貴金属のサイトがわかりやすい。

2月25日には、小売/買取でグラム「6,484」「6,397」円を記録した。1999年から2000年にはグラム1000円しなかった時期もあったこともわかる。

「あんとき買っときゃよかった~」

というのは誰もが思う後の祭り。といっても、1999~2000年当時はきっと、「金はもうダメだ」と投資をあきらめた人も多かったろう。人間は、先を見通せない生き物なのだから。

 

私は父の影響で、田中貴金属に長い間、純金積立てをしていた。毎月こつこつ積み立てれば、安い時には多く、高い時には少し、それでも長期投資をすれば結果的にお得に買える、というコマーシャル文句を信じ、月々5,000円から30,000円を積み立てた。

途中休んだり、積立でアクセサリー類を買ったりしたので、15年くらいかかって、やっと1kgのバーと交換でき、そこでやめた。

が、なんか、長かった割には、これでよかったのかどうか、ピンと来ないのである。

問題は、自分が一体総額いくらで1kg購入したのかパッとわからないことだ。

なので、田中に頼んで、明細を送ってもらった。積立てには、金の購入代金だけでなく、手数料(毎月)と、更新手数料(年1回)も取られる。

それらを総合してもなお、得な買い方だったのかどうか、わからない。平均購入単価も出ているからそれを見れば、と言われればそれまでだけど、父のように一度でガバっと買ってしまい、その価格と比べて判断できるような明確さがないのだ。まあ、そういう制度なんだけど。

 

過去にちょっと金価格が上がった時、一度だけ父から、

「いま売った方がいいかな?」

と聞かれたけど、

「特にお金に困っているわけじゃないんだから、いま上がっているからと言って焦って売らなくていいんじゃない?」

と答えた。もちろん、今ほど高くなかった。

 

今後10年20年も含めて、現在が高値の「ピーク」かどうか誰にも見通せないが、とりあえず史上最高値なので、100g~300g単位で、時たま売却している。

なぜかというと、つましい庶民から税金を取りたくて仕方ない財務省が、法改正して、一回につき200万円以上金を売却した場合は、店舗側に、税務署への支払調書、つまりタレコミが義務付けられてしまったからである。今の価格だと、300gまでならセーフ。1kgバーのままで売ってはいけない。