アンチ・アンチエイジング

ちょっと思うところがあって、某クレジットカードを申し込んでみた。

いま、カードはみんなネット申し込みだ。申し込んだら、翌営業日に、早速本人確認の電話がかかってきた。

「ご本人確認のため、生年月日を昭和でおっしゃっていただけますか」

と言うので、答えると、

「では、その生年の干支をおっしゃっていただけますか」

ときた。へえ。生年はごまかせるけど、干支はとっさにはごまかせないからなあ。

パコチンコ屋に入り浸っている非行少年に年を聞くと、上にごまかすから、すかさず干支を聞いて年齢確認をする、と聞いたことがある。

 

最近あまり見なくなったような気がするけど、ひところ「美魔女」という女性たちがメディアに出ていた。彼女らは、40代から50代なのだが、見た目、到底そんな年齢には見えず、まるで20代のような容姿を保持している、というのがウリなのであった。

確かに、見た目の美しさはすぐれていたけど、「20代にも見える」というのは、余りに大げさだと思った。同性の私から見たら、それなりに年相応。仮に、10代か20代の女性たちを隣に並べたら、その差は一目瞭然であろう。どう頑張っても、40代や50代が20代に見間違えられることはない。

 

いつも思うのだけど、人間、「アンチエイジング」より、きちんと年齢を重ねることのほうがずっと大切。やたら「若い」ことが価値のあることだと世間では見られているけれど、若さを保とうという努力は惜しまないものの、しっかり年を重ねていきたいものである。

 

これは脚本家の内館牧子さんがおっしゃっていたことだが、人間、

「お若いですね」

と言われるようになったら、年取った証拠だって。実際に若い人たちには、そう言わないから。

40代50代で20代に見えるなんてこと、本当は、ないんだよ。40代なら40代なり、50代なら50代なりに見える美しさの方が好きだ。