厚生労働省とコロナ

報道されているとおり、厚生労働省老健局のお役人24人が、銀座で日付が変わりそうになるまで飲んでいたことが発覚し、国民のみならず自民党からも批判されている。

しかし、部下の人らが「このご時勢ですから、やめておきましょうよ」と進言できないという組織の体質に、一番問題がありそうだ。

 

役人の世界は、上司が絶対だ。

上司が、

「送別会だぞ、みんな来るだろ?銀座あたりに深夜まで飲める店予約しておけよ」

と言えば、部下は誰もNOとは言えないのだ。

 

今日から、モノの値段が「消費税込み」で表示しなければならない、という、お店にとってはこのコロナ禍にあって、1円の得にもならない改訂作業を粛々とやっていたが、これも、財務省が「すでに法律で決まっていることだから」と言っているためである。財務省の中にも、誰か一人くらい、

「こんなコロナ禍でお店だって儲かっていないのに、余計な手間と費用をかけさせてしまっては大変でしょう。再延期してもらいましょうよ」

と思った人はいたかもしれない。しかし、上司がやれと言ったら、100%従わねばならない.従わないと、出世の道も将来展望もふさがれることになるから。役所とはそういう組織だ。いま、国民がどういう状態で、何を望んでいるかなんて、これっぽちも気にしない。気になるのはただ一つ、上司。

 

上述の厚生労働省23人に話を戻すと、聞いたところでは、それらの中には、今回降格された課長自身だったかもしれないが、「医師免許」を持っている技官がいた、というのだ、ひえ~~。とはいえ、日々臨床していないから、いくら医師免許を持っていても、その辺の感覚は麻痺し、上司絶対になってしまう、ということだろうか。なんという宝の持ち腐れ。

 

いくら緊急事態宣言あけのあととはいえ、コロナ対策の一番先頭に立つべき省庁の人が、こんな団体でルーズなことをしているのを見ると、ひょっとしたら、本当は、コロナなんて「風邪より強い、インフルエンザみたいなモノで、そんな大騒ぎするほどのもんじゃない」と、彼らはわかっているのかもしれないと疑うようになった。

コロナワクチンは、まずは医療従事者の皆さんに接種された。その次は、来年3月31日までに65歳を迎える高齢者(つまり昭和32年4月1日生まれまでの人)に、その次は、特定疾患のある人(含・肥満)や高齢者施設にて就労する介護士などに接種が予定されている。それが終わると60歳から64歳までの人、最後は、59歳から16歳までの人、という順番らしい。

 

私も、もしワクチンの順番が回ってきたら受ける気満々だったのだが、この厚生労働省の振る舞いを見て、かなりその気がうせてしまった。

接種は義務ではないから、打たないで様子をみてみようかなあ。

 

今回降格された老健局の課長って、役人はその将来の天下りまで徹底して守られるから、徹底して実名を出さない。そして、ほとぼりが冷めたころに、さくっと省内のどこかのポジションに戻って、沢山退職金をもらって辞め、天下りをするに違いない。週刊文春に頑張っていただきたいものだ。