「便所」は死語

 

トイレのドアに貼ったトイレマーク。
こういうふうに、どこかのドアとかに貼るプレートを「サインプレート」とか呼ぶらしい。
金物屋さんとかホームセンターなどで見るが、最近は個人商店の金物屋さんもめっきり減った。
 
うちのアメリカ人旦那はちょっと変わった趣味というか主義の持ち主で、
「日本語で『便所』って書いたプレートがいい。どこかにないの?」
と聞く。
かつてはそういうプレートも見たのだが、長い時間をかけて、あちこちのホームセンターやハンズを見て歩いたけど、「便所プレート」なんて絶対見つからない。
 
先日、京都に行った。かつて家だったところの近所の寺町通りに、個人の金物屋さんで、確か「便所」を含め、こういうプレートを多々売っていた店を尋ねてみた・・・・ が、その店は既になく、骨董屋に変わっていた。
同じ店が、いつまでもあるわけない、か。
 
現在住む区内でかろうじて営業している個人の金物屋さんで、卸売り段階で「便所」プレートを売っていないか調べて欲しいと頼んだら、案の定、もうない、と言われた。
 
ったく、旦那のこんなたわいもないというか、珍奇なリクエストを聞いてあちこち捜してやっている私も私だけどさ、でも、いまや「便所」は死語なんだ。「トイレ」だって、英語のtoiletの略で正式な英語じゃないのに、「便所」という正当な日本語が死語になるのも、ちょっと、悲しい。